吐いたのはお花『花吐き病』 (ページ4)

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コスモス『平和』ページ4

『え、飲まれたら死ぬまで飲まれそうなんだけど』

「ちょっとだけ、ね？」

『私一応こう見えて役に立つ部下なんですからね！そう簡単に殺されたら困ります』

「じゃあこれを上げる」

渡されたのは不思議なナイフ
頭の上にはてなマークを付けていると
彼は優しく説明をしてくれた

「これは口の中に入れて使うもの
いざという時に眼球につき刺したら毒が周り吸血鬼は死ぬ」

『こんなのあげていいの？』

「家畜ごときに何をしている」

金髪が白髪を睨みつける。
彼は口にジーと人差し指を立てると
私に「どう？」と聞いてくる。
これは使える、少しぐらいなら飲ませてやるのもいいだろう

『本当ちょっとにしてよ！
痛いの嫌だからね、優しくしてよ』

敬語を使うことを忘れ私はOKを出した。
嬉しそうに彼は私の首に口を近づける

『……痛くない？』

「コツがあるらしい」

金髪が説明してくれる、血を飲まれているという感触はあるか痛くもない。
けど力は抜けている気がする

待て待て待て……そろそろ飲みすぎだろ

『ストップ！』

「思った以上に美味しくてね
どうミカエラ君、おいしいよ」

「僕は飲まない」

『イェーイ、ナイフゲット！』

吸血鬼とハイタッチをしていると後ろから深夜の声が聞こえた。
ん？と声を出して振り向くと心配をして損をしたような絶望的な顔をしている。

『じゃあ、バイバーイ』

「次会った時は敵だからね」

私が手を振っていると深夜がすごい声で近づいてくるのがわかる。

『ごめんってば』

「吸血鬼と仲良くしてるし、わけわからないよ」

『ホラでも見てよ、すごいナイフもらったし』

私が首の傷を隠そうとしていると腕を掴まれ押し倒される。
なんだこいつ……男だったのか

「首、傷がある」

『血あげちゃった、私の血って美味しいんだって』

「少し黙ってよね」

『いたっ、吸血鬼の方が優しくしてくれたのに……』

「なっ！」

何か勘違いをしている彼には黙っておこう
ちなみに深夜は私の傷の手当をしてくれただけである。