Bitter [Red] (ページ15)

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Bitterness15 ページ15

｢先輩！一緒に帰りましょう！｣

道端でばったり会う

｢いいよ。Aちゃん｣

決まった曜日の放課後に運が良ければ会うことが出来る弟者先輩。そして一緒に帰らせてくれる帰り道。

｢今日はどうでしか？｣

｢いつも通りだよ｣

他愛のない会話も楽しくて仕方がないけど、心臓がずっと音を立ててる

先輩に見られてると思うと、発火しそう

｢今度からテストですね｣

｢そうだね｣

先輩、やっぱり私は正攻法で頑張ります

｢Aちゃんは何勉強してるの？｣

ベタベタ触るのは私らしくない

先輩との帰り道は楽しすぎて記憶が無い

｢…｣

でも後どのくらい一緒にいられるかなんて見えている

｢Aちゃん、じゃあね｣

｢また明日｣

…どうしたら距離がもっと縮まるんだろう

わからない

苦手な数学も、好きな英語も覚えたらできるしみんな手取り足取り教えてくれるけど

恋なんて誰も教えてくれない

｢…弟者先輩｣

人混みに入っていく先輩の背中が遠くなる

あなたにとって私が大きな存在じゃなくても、私には大きな存在で

先輩のおかげで毎日が楽しくなりました

｢いつかありがとうって言えたらな｣

あともう少しの勇気で何かが変わるかもしれない

そのあともう少しに賭ける

｢…帰りに新作のコスメでも見てこうかな｣

随分手慣れてきたメイクも、

上手になったヘアアレンジも、

新しい香水も、

全ては先輩に可愛いって少しでも思われたいからですよ