Bitter [Red] (ページ13)

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Bitterness13 ページ13

｢弟者ーっ！！｣

廊下から聞こえた甲高い声で呼ばれるその名は好きな人のものだった

｢何？｣

連れない声、素っ気ない返事

だけどその途端にその女の子は弟者先輩の背中に抱き着いた

｢…｣

見たくなかった

｢こら！弟者達廊下でイチャイチャするな｣

辛い辛い辛い辛い辛い

｢いや先生コイツが…｣

散々優しくされて勘違いしてた私が悪いのに

｢ウチ達付き合ってるんだよ？ねー？｣

｢違うよ｣

周りの音が遠く聞こえる

先輩が抱き着かれた光景が瞼に焼き付いてる

｢弟者冷たいなー｣

きっとあの子もおんぶされたのかな

｢…｣

泣きたい

｢やめろよ、別に付き合ってないんだからさ。だってお前彼氏居るんだろ？｣

彼氏が居るのに、じゃあ弟者先輩と仲良くする必要ないよね？

抱き着いちゃ浮気だよね？

｢彼氏とは仲悪いから｣

でも何で？意味がわからない

｢あ、Aちゃ…｣

｢ねぇ弟者ってばー｣

大人びようと、でも甘さに期待してビターチョコを食べた時みたい

｢だからちょっと、｣

みるみる苦くなっていく

こんな気持ちになるなら恋なんてしなきゃよかった

｢先輩、こんにちは…｣

｢Aちゃん、次の授業頑張ってね｣

先輩、どうしようもないくらい好きなんです

｢ウチにも言ってよ、弟者｣

でも、今だけは顔見たくない

先輩は悪くないのは頭ではよくわかってる

その女の子が悪いのにわかってる

だけど先輩が中途半端に優しくするからって先輩を悪く言いたくなる

｢頑張ってね｣

｢嬉しい！！弟者大好き！｣