DROWN (ページ43)

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純度百厘の狂愛ページ43

彼女の為にどうせなら前よりも綺麗な身体を贈りたいと思った拘りのお陰で再会には1年かかった

硝子玉の様な綺麗な眼球を

透き通った美しい肌を

絹のように滑らかな髪を

身体の寸法はデータに内蔵してあったから材料の決定と収集にほとんどの時間がかかった

人間というのは我儘なものなので再び

皺ひとつないお洒落な服や

プリズムの様に輝くアクセサリー

姫たらしめるガラスの靴の様な靴

彼女は完全形となってようやく目を覚ます

｢…A、おはよう｣

彼女は驚いた顔をして俺達を見つめた

｢あら、どうして皆泣いているのかしら｣

Aは壊れた事も、自身が機械であることも知らない

俺達が全て組織に関する記憶と自身に関する機械である記憶はAと俺達の幸せの為に抹消させて頂いた

機械である事を逆手にとって上手く改変した

改変にも時間がかかったのは事実だが

｢起きただけよ？｣

Aは身体を起こして順番に俺達と抱き締め合う

俺達にとっては恋焦がれた再会であった

｢もう、皆どうしてしまったの｣

寝台から立ち上がり嬉しそうに笑うA

｢郊外に引越ししたんだ。とても静かで安心して暮らせるからな｣

｢そうなのね。素敵なおうちだわ｣

日中又は呼び出しがあった時はAを独り家に残してしまう

それでも仕事は偽らなければならない

そして何より組織にこの生活を知られてはいけない

Aのメモリを盗んだ事には変わり無いのだから

｢幸せね、こうして四人で暮らせるなんて｣

｢毎日Aのご飯が食べられるなんて本当に幸せだ！｣

｢弟者くんがそう言ってくれると作り甲斐があるわ｣

普通に食事、入浴などもする自律型機械人形(ドール)

｢Aが居てくれるからの仕事終わりの疲れも吹っ飛びそうだな｣

｢兄者さんがそう思ってくれるなんて嬉しいわね｣

強いて言うなら愛玩人形の方が適切かもしれない

｢これからAと沢山色々な所に行けるね｣

良くも悪くも本当にAは愛玩になってしまった

｢おついちさん、私を何処にでも連れて行って欲しいわ｣

｢勿論だよ、お嬢様｣

A、愛してる

だからもう悪夢は見なくていいようにしてあげるから

純粋な愛でAを作り上げたが、人によっては歪に見えるかもしれない

それでいい

一対三の愛の関係なんて歪に決まっているだろうから