海岸2 ページ41
｢紹介するよ。私の娘のAだ。見覚えの有る顔だろう？｣
其処には私と同じ顔をした人が居た
｢私の代わりに今まで働いてくれてありがとう｣
そういう事だったのか…
｢違う！私はお前の為に働いた訳では無い！｣
｢貴嬢はもう処分が決定した｣
意味が分からないわ
｢処分？私を殺めて偽物を生かすの？頭が可笑しいンじゃないの？｣
｢人工知能が暴走しているな。おついち君、兄者君下がりなさい。之は首領命令だ｣
何も反応せずに二人は半歩下がった
｢…人工知能？｣
｢貴嬢は未だ知らなかったのか。気の毒になァ｣
｢…プロトタイプを捕らえて壁際に寄せろ｣
下級構成員2人に掴まれて硝子の近くに立たされた
｢嫌よ！離して！｣
抵抗虚しく、何かの衝撃が有れば割れてしまいそうな硝子の前に立たされた
｢暴れるな｣
何の躊躇いも無く発砲され、捕らえられた私は避ける事も出来ず被弾した
｢…？｣
痛くない
流れる物は血ではなかった
｢…あぶ…ら？｣
｢そうだ。之でよく分かっただろう？愛されていると勘違いして驕っていた哀れな自律型人形だ｣
自我が壊れた
わわわわわわわたしががきかいいい？
そンなのうううううそにニニニきまっテテテいる
｢さようならだプロトタイプ。貴嬢の代わりなんていくらでもいる｣
血の代わりに油を流す無機質なドールは生みの親によって蹴り落とされた
｢A！！｣
遥か遠い地上へと堕とされた
｢妾の捨て駒ちゃんは気が付かなかったとは。妾が本心で捨て駒と呼ぶ訳がのぅ｣
｢酷過ぎる…こんなの…｣
｢…俺は行くよ。せめてものAの救いの為に｣
二人はこの世の終わりのような表情をしながら本部ビルへ戻ろうとする
｢また組織の為に頑張ってくれるな？Aは生きているのだから｣
｢勿論ですよ｣
｢それでもAは居ますからね｣
｢より強くなった拷問部隊幹部を迎えて、更なる繁栄を目指そうか｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：姫乃 | 作成日時：2019年5月19日 23時
