川岸 ページ17
｢ベレッタの餌食になりたいのは何方？｣
私は周りを見廻すけれど
｢誰も居ないみたいね。ウチに来るかしら｣
｢A様、お言葉ですが今勧誘した所で裏切りが多発するかと…｣
｢大丈夫よ。ほら、御出でなさい、私を倒せると思う威勢の良い輩は｣
また先程と類似した大柄の男
｢確り目に焼き付けておくのよ？ウチで裏切ったらこうなるの｣
｢お前がやれる訳なっ｣
クリティカルヒットとも呼ぼうか、蹴りが鳩尾に入りその男は噎せながら血を吐く
｢そして、｣
狙いも定める必要も無く、私は脳天をぶち抜いた
｢こうされたい方はウチに入り、裏切りでもどうぞ？｣
｢これ以上Aの部隊に男が増えたら、おついちさん気が気でないなぁ｣
躰をくねらせて私に寄るおついちさん
｢俺だって今すぐ幹部を投げ捨てて、Aの許に行きたいけど…性格的にも特攻だからなぁ…｣
私の手を取る弟者くん
｢おいおい、弟者とおついちさん組織の頭として恥ずかしくねぇのかよ…｣
｢こんな馬鹿みたいな頭に率いられる組織なんて塵だな｣
｢…今、誰が言ったのかしら。全部隊に告ぐ、疑わしい奴は全員撃ちなさい｣
一瞬で血の海と化し、敵方も殲滅
｢だと思ったよ。目の前の女に触れられないって分かったらすぐそうなる｣
呆れ顔のおついちさんとは対照的に満足気に笑う兄者さん
｢これで不貞な輩が増えないだけ満足だろ｣
｢A様、総合幹部様よりお電話が｣
｢えぇ、有難う｣
＿A、今回も見事だった
＿四部隊あっての勝利ですから
周りは着々と帰還準備を始める
＿うちの縄張りで暴れることの恐ろしさを他の組織に見せしめる事が出来たのは本当に有難い
＿そうですわね
早く切り上げて、今夜は溺れるくらい飲みたい
それか
｢ご飯でも行きましょ、偶には4人で｣
｢Aがそう言うなんて珍しい｣
どこか嬉しそうに笑ってくれる弟者くんを見ると安心する
｢偶には、Aと二人きり以外の食事も悪くないね｣
｢おついちさんとは行った母数ガ多過ぎなのよ｣
｢兄者君とは行かないの？｣
行かなくてもその…組織内でそれなりに…、と言いたいが羞恥心が邪魔をする
｢俺は部隊柄Aと娘々する機会が多くてね、別に食事に誘わなくても｣
｢うっわぁ…、て、弟者君、君は？｣
｢俺？｣
家に招いてるのは二人だけの秘密だから、言って欲しくな
｢俺はAの家に行ってるから大丈夫｣
｢は？｣
｢まぁまぁ、今度招くわよ、おついちさんも兄者さんもね｣
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作者名：姫乃 | 作成日時：2019年5月19日 23時
