傲岸3 ページ13
｢…Aの泣き顔が見たかったなぁ。嘸かし可愛かったろうに｣
兄者さんの手が私のシャツと素肌の間を這う
｢…見せたくないわ、そんな表情は二度と｣
机に腰掛けさせられて、兄者さんは然も机に向かうかの様に私に向かい、唯
｢強そうな女は屈服させたくなる性だろ、男って言うのは｣
｢良く分からないわ｣
徐に釦を外されれば顕になる白肌、対照的な黒の下着
｢Aは可愛いんだから黒じゃなく白やピンクの方が良い｣
｢…あまりジロジロ見ないで、恥ずかしいの｣
その手が金具の所まで来たら思わず止めてしまう
｢見たって減るもんじゃねぇだろ｣
｢そうじゃなくて…｣
普段から寵愛を受けていても此の場合は別
｢じゃあ何だ？｣
悪い顔で嗤う兄者さんは楽しそうだった
｢い、衣服越しでしか無かったじゃない！｣
｢そうだな？でも此処には俺とA以外居ないし、誰も這入って来れない｣
そうだとしても恥ずかしいのモノは恥ずかしい
自分の姿を全て曝け出しても良い程愛してるのかと言われたら今私が抱いている愛とは違う気もする
｢それとも別方法にするか？｣
｢…な、何を？｣
｢金具を外すンじゃ無くて、下にずらして上げようかお嬢さん｣
悪い人
無知な私を翻弄してそうやって自分の欲を満たす人
｢…もう、兄者さんが望むなら何でも良いわ。知らない｣
｢従順な女の子はもっと好きだ｣
満足そうに笑ってくれるから下手に出ても後悔しない
｢可愛いぞA｣
然し矢張り愛おしさが込み上げると自ら行動を起こしたくなるもの
｢…兄者さん｣
椅子に座る兄者さんの大腿に座り、只管キスをした
｢…躾の成って無い猫も悪くねぇな｣
口紅だらけの其の顔は唯の私の独占欲其の物
｢ごめんなさいね｣
覚えている事しか出来ない保守的な女では有るけれど比較的感情には素直に従って生きてるつもりではあるから
｢即説…続きでもするかね、お嬢さん｣
貴方主導の遊戯は享受するだけの易しい遊戯
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作者名：姫乃 | 作成日時：2019年5月19日 23時
