wake up at dawn [green] (ページ5)

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＿あと93日ページ5

僕はA様の恋人設定には大層驚いたがそれなりに楽しんでいる自分が居る

｢今日は隣街から兄者様が来られるの。素敵な方よ｣

｢そうなのですね｣

嬉しそうに青い薔薇(奇跡･一目惚れ)を花瓶に挿すA様が愛らしかった

｢馬車が来たみたい。行ってきますね｣

｢A様？！｣

僕は外へ急いで出るA様を追いかけた

｢久しぶりだな、A｣

｢お元気そうで何よりです｣

ご歓談なさっている所を見て安心した

｢弟者も後で来るから久し振りに森に散歩にでも行こうか｣

貴族は狩りを嗜んだが、このお嬢様方は殺戮を嫌ったから散歩をするとA様から聞くと、A様は案外普通なのかもしれない

｢彼はね新しい執事なの！とてもお洒落で優しくて素敵なのよ｣

僕の袖を嬉しそうに引っ張って紹介された

兄者様と紹介して頂いた方もA様に対して優しい笑みを浮かべていた

｢A良かったな、前任があれだったから新しい奴が来て安心した｣

前任が相当酷かったのか？僕には知る由もない

｢A様、そろそろ中に戻られた方が良いかと｣

｢わかったわ。兄者様早く会いたくってね、貴方の事を考えて青い薔薇(奇跡･一目惚れ)を飾ったのよ｣

｢俺に一目惚れしたのか？｣

A様は笑った

その笑みを僕にだけ向けて欲しいとさえ思ってしまった

｢この出会いが奇跡的だからよ。わたしに対して優しくしてくれる唯一の貴族だもの｣

青い薔薇(奇跡･一目惚れ)は彼のイメージも含めて選んだという事か…本当に感心させられることが多い

暫くして弟君が現れて、A様はより一層嬉しそうにした

｢Aー！｣

｢ちょっと、様を付けなさい！｣

騎士の身分であるのにA様に対して失礼だ！

｢おついちさん良いのよ。弟者さんは昔からの御付き合いだもの｣

騎士の彼でさえこうなのか…僕に対して敬称を付けるように

彼女の魅力は数え切れないし、日々新しい魅力を発見する

そんな所が民衆や他の貴族を魅了するのかもしれない