wake up at dawn [green] (ページ40)

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＿あと0日ページ40

…慣れない寝台に体が苦しめられながら朝を迎える

あれから100日が経った

僕は正直心配だった

呪いは僕らの心の隙に入り込む

もしも不治の病だったら、Aは…

横で気持ち良さそうに寝息を立てるAの髪に手を通しながら憂う

｢…おついちさん｣

｢…なに？｣

その眼は心做しか夜明け前の闇に見えた

｢…こわいの｣

その震える背中と後頭部に手をまわして、確り抱き締める

｢…僕の身にどんな絶望が降り注いだとしても、絶対にAを呪いや悪魔の手には渡さない。Aを絶対に幸せにすると、守ると誓ったから｣

2度目はない

大好きだった向かいの家のお姉さんは、結婚という幸せに見放され、悪魔という夫に喰われた

僕はそれを許さない、二度と起こさせない為に呪いをかけられたのだろう

見合いが決まればすぐ結婚する訳では無い

しばらくそのままで、大体3ヶ月後に結婚する

不幸な結婚をするのなら、命を散らした方が幸せだろう

だから僕は結婚しないお嬢様を死の世界へと引き摺り込んでしまうのだ

それももう要らない

｢…A｣

でも、見えない不安が僕の心の弱さに漬け込む

口では強気でも、心は弱気である様に、

本当にAを幸せに出来るのだろうか

Aに後悔させることの無いように出来るだろうか

｢…ごめん、僕には…自信が無い｣

｢…おつい…ちさん？｣

｢Aを泣かせるかもしれない。見捨てるかもしれない。不幸せにすると思う。ガッカリもさせる。後悔もさせる｣

僕の所為で悲しくなるAを見たくない

｢…それでも良い｣

僕と結婚した所為で他人からどんな風に見られるかどうかわからない

｢それも含めて好きだから、おついちさんが｣

第一僕らには秘密が多すぎる

｢…ごめん｣

……だから

｢解けたかどうかも分からない呪いの所為にしよう？｣