wake up at dawn [green] (ページ38)

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＿あと2日ページ38

宿を出て、汽車に乗り港まで向かった

もうこの国ともお別れだ

｢A、新しい地で僕達の生活が始まるけど、大丈夫？｣

戻るなら今のうち

｢おついちさんと一緒ならきっと大丈夫よ｣

人生の船旅は1人とは限らない

僕の様に途中で増える者もいる

決してその船が沈む事の無いように僕らは努力しなければならない

｢あんなに小さな世界で生きていたんだね｣

デッキは風がよく通り気持良かった

｢街が遠くになるわ…さよなら愛しい街｣

前の様に贅沢な暮らしは無いが、幸せはある

それで十分ではないか

｢初めて会った時のこと覚えてる？｣

｢それでも3ヶ月前なのが信じられないね。留学から帰ってきた時でしょ？｣

｢初めはお洒落で美形だなってしか思って無かったわ｣

Aと笑いながら回顧する

｢僕は可愛いと変わってるって思った｣

｢呪われてた同士だから、波長が合っていたのかしら｣

考える暇もないくらいに、口から自然と言葉が紡がれて行く

｢そうだね。あと、城下の市場に行った時とか、初めて舞踏会に同行した時も覚えてる｣

｢音楽を窘めた日も、星を見た日も、お茶はいつもしてたけれど全てよく覚えているわ｣

笑って、一日中思い出話をした

僕達は外国で暮らす事にした

しかもAも未だ行ったことのないような国

誰も僕達を知らない街では普通の恋が特別に出来る

国内に留まっても良かったが、特別な恋でさえも普通に出来ない

2人でいれば何もかも怖くない