wake up at dawn [green] (ページ21)

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＿あと45日ページ21

｢お姉様はどうして結婚しないの？｣

僕を見つめる無垢な目

｢A様を幸せに出来る殿方が居ないのでしょう｣

僕が仕えるべきにされたのは11歳の女の子

しかし彼女はもう相手が居る。それまでの間僕が面倒を見なければならない

｢結婚しないの？｣

｢僕はしませんよ。機会を逃してしまったので｣

A様と結婚する事は2人だけの秘密で良い

それに僕達は命を散らした事になるのだから

｢あの人は政治も経済も出来るけど、結婚出来ない。あたしは勉強は苦手だけど結婚出来る。幸せなのはどっちなの？｣

｢それは…｣

回答に困った

｢A様とは親しかったので分かりますが、僕はお嬢様の事を良くわかりませんし、お嬢様がいずれ御自分で見つける事だと思いますよ｣

｢それならあたしね！あたしは親孝行で早くお嫁に行くけど、お姉様は家の予算を喰っているだけだから！｣

…違う。A様は違う。11歳の小娘にA様の何が分かる。穀潰しじゃない。A様は天使だ

A様を悪く言うようだったら、僕は誰であっても許さない

｢…他人を思いやる、それは令嬢として身に付けておくべき事柄に御座います。A様にお謝り下さい｣

腸が煮えくり返る程怒りを覚えたのは何時ぶりだろうか

｢聞いてないから良いじゃない｣

新しい妹はこのザマ

｢聞いてないから良いのではありません。一人の女性としてどうかと思われます｣

｢使用人がこんな生意気な口を聞くの？｣

僕は使用人だというカードを出されてしまえばもう戦えない

A様、貴女の名を貶める行いを叱れずに申し訳ございませんでした

僕は目を瞑り、謝罪の念をひたすらに唱えた

｢おついちさん、気にする事は有りませんよ。わたしが穀潰しですって？｣

A様は新しく来た嫁入り前の妹でも物怖じしない

｢お嫁に行かない分際が良くもまああたしにそんな口が聞けるわね！執事でしょ？主人が侮辱されるは貴方の不手際！｣

良くそんな言葉を知ってるな

可愛いA様が本当に恋しい

｢達者なお口だ事、可愛らしいわ。でもそんなお口では旦那様にどう思われてもおついちさんを恨んじゃ駄目よ。貴女を思って叱ってくれたのに無視したのは貴女なのだから｣

矢っ張りA様は僕の天使だ

｢…｣

｢A様…｣

｢あまりおついちさんをいじめないのよ、可愛い妻になる為の練習よ｣

お嬢様は不機嫌にその場から走って居なくなった

僕の愛する女はどうしてもこんなに愛おしいのか