【小説版】集えや集え！ヒーロー&敵！《Ⅱ》 (ページ6)

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死柄木(弔)の憂鬱【語部唄】ページ6

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『はぁぁ─────……』ﾎﾞﾘﾎﾞﾘﾎﾞﾘ…

今、俺は不機嫌だ。

"ご機嫌斜め"とは良く言うが俺の場合は直角に届いている気がする。

原因は現在進行形でニヤニヤ笑いながらBARに居座っているコイツだ。

「ふわぁ…ヤッパリ黒霧さんのデザートは美味でございマスねェ♪」

気味の悪い笑い声と一緒に変な言葉遣い…いや、これは来た時から同じか。

腹が立つ事に変わりはないが。

そんな事はともかく俺はコイツが嫌いだ。

……文章が支離滅裂だァ?崩すぞ(威圧)

「ねェねェ死柄木さん!コレ食べません～?」

コイツ、珍しく語尾に記号を付けなかった。

……なんで俺はこんな事を気にしてるんだ?

舌打ちをひとつしてから首を掻き毟った。

「死柄木弔」
『あーあー分かってるよ…コレを止めろって言うんだろ黒霧』

止めると今度は足が小刻みに床を叩く。

……やっぱりコイツ(語部唄)は俺にとってのストレスの塊だ。

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『死柄木さん、ご機嫌ナナメデスねェ…ひひっ』
「笑う所ですか、それは……」
『気にしないで結構デスよ、黒霧さん☆』

それにしても。

『美味しいですね、これ』

黒霧さんと死柄木さんが固まった。

……あぁそうか、

『このよう(普通)に話した事は初めてでしたね』

小さく嗤った。

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「……やはりですか」
『"やはり"って……黒霧おまえ…!』
「えぇ、薄々気付いてはいました」
「ふふっ、私(ワタクシ)は性格がそもそもマトモじゃない。ですから心が壊れている訳でもない」

寒気がした。

俺達は社会不適合者(只の仲間外れ

コイツは社会不適合者(本物の殺人鬼

その違いが漸く理解出来た。

「あぁ、取って食おうという訳ではございません」

俺達は反射的に身構えていたらしい。

そんな事すらもコイツにはお見通しのようで。

ソイツはフワリと笑った。

「貴方達と居れば、また紅い(血の)華が見られるかもしれないと思ったのです。……争い事を起こす方を、私はコロしはしませんから」

穏やかな口調穏やかな笑い方

衣服に似合わないそれらは

言っている事に沿わないそれらは

俺達を戦慄させるには充分すぎた