【小説版】集えや集え！ヒーロー&敵！《Ⅱ》 (ページ43)

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忘却薬　【松野一松/松野空松/死柄木皆生/語部唄】ページ43

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「一松君!! 何かされなかった!?」

気が付いたら家の布団で寝ていて、翌朝雄英に行くと心配そうな表情で皆生が駆け寄ってきた。

「何が?」

「昨日、一松君…お姉さんに」

「昨日は空松を見掛けてすらないけど…」

頭上に？を浮かべ首を傾げると、皆生は何故か驚いていた。

皆生が誰かと見間違えたのか…?

いや、それだとおそ松兄さん達が帰って来てることになるんだけど…連絡は必ずしてくるから違うはずだ。

「昨日、何かあったの?」

「えっと…な、何でもない!!」

明らかに何か隠してる様子の皆生。

もしかしたら、俺が覚えてないだけかもしれない。と思い「そっか」とだけ返した。

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「ちゃんと効いたみたいでよかった」

「何がデスか?」

「ｱｸｼﾃﾞﾝﾂｯ!!」

気配を殺して物陰からこっそり一松の様子を見ていると、背後からいきなり語部さんに声をかけられ思わず変な声を出してナイフを振るってしまった。

「イキナリ危ないじゃないデスか。ワタクシが言うのもアレですけど」

「仕方ないじゃないか…癖なんだもん…」

軽々避けられ、ほっとしてからナイフを仕舞う。

「それで、ナニがよかったんデスか～?♪」

「忘却薬だよ。一部の記憶を消す薬」

不思議の国のアリスに登場するチェシャ猫のように、にんまり笑う語部さん。

心なしか、目まで猫みたいに見えるのは気のせいだろうか……?

「ワタクシにもください」

「一松に使ったので最後だから無理」

これは半分本当で半分は嘘だ。

実際に一松に使ったので最後だが、それは私が所持してる中でに過ぎない。

デカパン博士のレシピ集があるので、いつでも増やすことができるが、語部さんには申し訳ないけど内緒にしておきたい。

「そう言えば、爆豪勝己ってどの子?」

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