【小説版】集えや集え！ヒーロー&敵！《Ⅱ》 (ページ32)

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マイブーム?ドライフルーツ!【語部唄】ページ32

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最近、やたらとドライフルーツを食っている。

俺が、じゃない。

語部唄(人でなし女)が、だ。

どこから調達して来たかは知らないし知りたくもないが、悔しい事にコイツの舌は確かなので食べてみたいなどと思う自分もおかしい。

クソッ……イライラする……

「死柄木弔」
『んだよ黒霧……今くっそイラついてんだから話し掛けるな』
「いえ……首を掻き過ぎたら駄目ですよ」
『……チッ』

死柄木サン、と呼ぶ声が聞こえた。

ボイスチェンジャーを通している為に少しばかり電子音の混ざった、高い声。

人でなし女の(俺の嫌いな)声。

「ふふふ……良かったら食べマスか?」

割と美味しいんデスよ、と薄く笑いながらオレンジと思しきドライフルーツを差し出す人でなし女。

猜疑の意を込めて睨むと少しだけ嘲笑を見せた人でなし女はまたいつもの胡散臭い顔……の中でも扱いが面倒な膨れっ面に戻ってこう言った。

「失礼デスねェ。私だって血に対する執着を除けばほぼ普通(な筈)デスのに」

舌打ちをひとつ。

こんな所が無けりゃ今頃は殺してた……いや、もしかしたら返り討ちになっていたかも知れない。

低く短く唸って、直ぐに溜息を吐いた。

『……もらう』
「毎度!デスね!」

パァっと笑顔になる人でなし女。

……クソ。

内心では悪態をついていたが、どうしてか首は痒くならない。

最近はボキャブラリーが少ないですね、と黒霧に指摘された事を思い出した。イラつく。

腹いせに。

俺は"父さん"を取ってカプリと人でなし女の指もろとも口に含んで、ドライフルーツだけを持ち去った。

爽やかな酸味と少しの甘み。

『……中々美味いな』

ニヤリと笑いながら横目で人でなし女を見れば、ソイツが酷く赤面している事が分かって。

何となく楽しくなった。

……勘違いするなよ?

俺はコイツを苛める事が楽しいだけだ。

自分にそう言い聞かせて、割り当てられた部屋へ戻ろうと重い腰を上げた。

────────

あれ?死柄木(弔)君……絆されかけてる?

勢いで書いてたけど展開が……うん。

でも楽しかったです!(例によって)

ドライフルーツ……マイブームなんです(マジレス)

あと直しまくってます……

通知うるさくてごめんなさい!!!

ききょう