うさぎとヒーロー �� ページ19
(勝己View)
何事も「慣れる」というのは早いもので、慣れてしまうと、慣れる前のことを忘れてしまう。
前にデクの肘を治したときは、放課後にはAは目を覚ました。
Aの父さんが仕事を抜けて学校まで来て、保健室のベッドの上でケロッとしているAの顔を確認すると、ものすごい量の息を吐き出して「……良かった……。」とつぶやいた。
抱き上げられたAは、まだ少し眠たそうな様子ではあったが、「大丈夫だよ！」と伝えていたのを覚えている。
だけど今回は、夜になっても、次の日の朝になっても、目を覚ますことはなく、
Aはただただ眠ったままだった。Aは大きな病院へ移った。
Aには会えない、病室には誰も入れないと言われても、毎日病院へ行った。何も変わってはいないのに、Aと学校へ行ったり、祭りへ行ったり、いつの間にかAが眠っていた日々のことを忘れていた。
Aの病気が治ったとでも思っていた。病気なんかじゃない、Aの個性だ。俺はただ、病室の前にある椅子に座って考える事しかできなかった。
「勝己くん、今日も来てくれたんだね。Aの為にありがとう。」
白衣を着たAの父さんが病室から出て来た。
俺は黙ってうなずいた。
「Aは大丈夫だよ。」
腕に付けている時計を見ながら俺の横に座って話しはじめた。
「ウサギを助けたと聞いたんだ。そのウサギどんな状態だったか、勝己くん覚えてるかな？」
「……死にそうなやつ、だった。」
「そっか。あ、違うんだよ、勝己くんを責めているわけではないんだ。そうだ、Aの個性の話をしよう。聞いてくれるかな？」
俺にできたこと、できること、考えても分からなかったけど、知りたかった。Aのことをもっと知りたかった。勢いよく顔を上げ、Aの父さんの顔を見て思いっきりうなずいた。終始ニコニコしてたAの父さんは目を見開いたあと、声に出して笑った。
「あはは！…ありがとう、勝己くん」
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ringo(プロフ) - 山田さん» 嬉しい言葉沢山ありがとうございます！自分の文章で幸せや癒しの気持ちを届けらるなんて、こちらこそが感激です。続編は1話1話が長々となってしまいテンポが前作より読み易くないかもしれません。楽しめるか不安ですが、読んで頂けること、幸せです！ (2020年8月13日 11時) (
レス) id: 3ab667c6e7 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - 夢主ちゃんの性格が凄く好きです！特にデクの個性のお話で夢主ちゃんの言葉に心が温まりました!!どのお話も読んでいて幸せな気持ちになれて、とても癒されました。これから読む続編が楽しみです!! (2020年8月12日 14時) (レス) id: e001adff61 (このIDを非表示/違反報告)
ringo(プロフ) - 猫音々さん» 猫音々さん、遅いとかないですよ！お返事のお返事もありがとうございます。はい！がんばります！優しいお気遣いのお言葉嬉しいです^^ (2020年2月26日 12時) (レス) id: 3ab667c6e7 (このIDを非表示/違反報告)
猫音々 - ringoさん» 返信、遅くなってすいません！(>_<)ありがとう、だなんて、、すごく嬉しいです！これからも、応援してます！大変かもしれませんが、無理せず頑張って下さい！ (2020年2月24日 21時) (レス) id: dbf7d5a39b (このIDを非表示/違反報告)
ringo(プロフ) - 猫音々さん» 猫音々さん、ありがとうございます、嬉しいです！読んでくださって、応援もしてくださって、ありがとうございます…！^^ (2020年2月13日 16時) (レス) id: 3ab667c6e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ringo | 作成日時：2019年8月6日 11時
