どうしちゃったんだろう ページ13
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あれから、少し時間が経ったあと。
私は、まだタルタリヤにハグをしていなかった。
『……………うう、タルタリヤぁ…』
「…なぁに?」
ひぃい!顔が怖い、怖いよっ!!
タルタリヤは頬杖をつく。
「A…」
『ひゃ、ひゃいっ!』
「俺は怒ってるんだよ?俺はこんなにも君を愛しているのに、君はそれに答えてくれない」
『い、いやでも、私たち兄妹だし……あはは…』
そんな好き好き言える仲にはなれないじゃん。
……それとも、そういう意味じゃない、家族としての「好き」なのか。
私には判断が難しい。
そういう意味じゃないなら、キスして〜とか言わないだろうし。
私の言葉を聞いた彼は薄く笑う。
「……………………ま、そりゃそうか…」
表情が、少し暗くなる。
なにやら独り言を呟いたみたいだけど、小さ過ぎたその声は、風に流され私には届かなかった。
なんか私、まずいこと言っちゃったかな……?
いつもと違う彼に私は不安になる。
しかし、どうしよどうしよ、とうろたえているところに
「………おい、2人の世界に入っているようで悪いが…俺たちもいるんだぞ?」
ずっと私たちを見ていた鍾離さんが私たちに声をかける。
やばい、完璧に忘れてた。
しかし、その言葉に促され、緊張の糸が途切れたように私は口を開く。
鍾離さん、ナイスっ!
『………!そだった!えと、タルタリヤ?ハグは…んと…後で!後でしてあげるから!』
…タルタリヤ、残念そうな反応をするかな。
彼には少し悪いけど、私だって鍾離さんと魈さまがいる場所で抱きつけるほど、図太い神経は持ち合わせていない。
そう思いつつ私は彼を見る。
しかし……帰って来たのは、予想外のリアクション。
「……うん、そうだね、分かったよ。楽しみにしてる」
『……ぇ』
彼は、優しい顔で私の頭を撫でた。
それはもう、うっすいガラスを扱うみたく。
『タ、タルタリヤ…。あ、えと、その……ほんと、ごめんね…?後で絶対するから……!!』
動揺を隠せない私。
「あはは、ありがとう」
俺はちょっと北国銀行に行ってくるから、と手を振る彼に私は手を振り返せなかった。
タルタリヤ、どうしちゃったんだろう……
うーん、ちょっと…心配、かな。
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宇琉夜ハル(プロフ) - 6ページ離月ではなく璃月ですよ (2023年3月24日 18時) (レス) @page6 id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご祭り(プロフ) - けんとさん» うおおお!!ネタ切れだったので!!リクエストまじでありがとうございます!!!気合い入れて書きます!!続けてでもなんだろうが構いませんよ!コメントくれるだけで嬉しいです…! (2022年10月13日 23時) (レス) id: bc8f8e995e (このIDを非表示/違反報告)
けんと - 続けてリクエストすみません(泣スカラマシュと絡んで欲しいですワガママすいません (2022年10月13日 18時) (レス) @page37 id: a76f20d172 (このIDを非表示/違反報告)
りんご祭り(プロフ) - けんとさん» いえいえ!こちらこそリクエストありがとうございました〜 (2022年10月4日 22時) (レス) id: bc8f8e995e (このIDを非表示/違反報告)
けんと - ありがとうございます、尊かったです!萌死にするところでした (2022年10月4日 21時) (レス) @page26 id: a76f20d172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご祭り | 作成日時:2022年9月24日 23時