大雪地帯コチカチ13 ページ32
「…明るい所に出ました…！」
「ここまでくればもう少しでございます」
ようやく洞窟を抜け、普通の道になったので歩きやすくてありがたい。謎の地下水路？があるが、
「何か沈んでます。なんの施設なんですか？」
「地下の…アクアリウムといったところでしょうか。……この島は本来、大規模テーマパークの建設跡地でした。ゲノムタワーは宿泊用のホテル、無人街にも観光用の商店街が立ち並ぶ予定でした」
「…上手くいかなかったんですね？」
「ええ。資金繰りが上手くいかず頓挫したそうですよ」
「島ごとテーマパークですか。楽しそうですね」
上手くいっていたらこのゲームはなかったのだろうか？それとも別の施設で似たようなことが？……なんて、考えても無駄だろうけど。
「では、こちらより潜水してタワー内に入ります。1分ほどで到着しますのでワタクシの後についてきてください」
目の前には薄暗くけっこう深い地下水路のようなもの。うん、無理だ。
「いっぷん、イケますかね…」
「なるべく身軽になるといいですよ」
「潜水タイム最長39秒の俺でもイケますかね…」
アカツキ君の本気の表情に場が静まる。
「またまた！ご冗談を」
「いや、あれは本気の表情では……」
「そうですよ！冗談でなく……冗談でなく！！」
すでに身軽になったアンヤ君とマキノさんが引っ張るが全力で抵抗している。
「うっせえな、覚悟を決めろ！」
「いやいやアレですよねどう考えても俺アレですよね」
「アレってどれなのアカツキ君」
「平気だって！オレが嘘ついたことあっか！？」
「んんんんなきにしもあらず！」
腕を引っ張るアンヤ君とは反対に、背中を押していたマキノさんがアカツキ君とばっちり目を合わせる。洗脳する気か……。
「アカツキ君」
「マキノさん……？」
「今度…僕助ける。僕…君の丸太……」
「…しゅごい……」
「洗脳こわ」
アカツキ君に抱きつかれるマキノさんが何だか丸太に見えてくるからすごい。
「おいA、お前も行くぞ」
「…非常に言いにくいんだけど……私全く泳げない」
「で…でしたら、ぜひともワタクシが……！」
息を荒くしながら距離をつめてくるパカ。
溺れた方がましだ、と避けようとすれば目の前に見覚えある背中が。
「テメーは近づくな！…オレが引っ張ってくから黙って目瞑ってろ」
「……よろしくお願いいたします…」
庇ってくれた上に助けてくれるとは、流石アンヤ君。感謝しかない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬桜(プロフ) - バギアスさん» 嬉しいです🐱ありがとうございます！近々少しですが更新する予定ですm(_ _)m (2022年6月1日 16時) (
レス) id: 740eef171a (このIDを非表示/違反報告)
バギアス(プロフ) - 面白い ハマった (2022年6月1日 16時) (レス) @page35 id: 9d13356054 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 時夜さん» 感想ありがとうございます！更新する予定なのですが、少々忙しくて書くのが遅れてまして…すみませんがお待ちください！m(_ _)m (2021年10月17日 15時) (レス) id: 740eef171a (このIDを非表示/違反報告)
時夜(プロフ) - 面白かったです！更新ってされますかね？ (2021年10月17日 11時) (レス) id: 61e78b8a54 (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！頑張ります(^-^) (2021年9月1日 21時) (レス) id: 740eef171a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬桜 | 作成日時：2021年6月16日 11時
