最上階 ページ18
パカが置いていったカードキーを使い、エレベーターで最上階へ向かう。誰も何も言わない静かな空間。
「アカツキ」
それを壊したのはアンヤ君が彼を呼ぶ声。
アカツキ君、は何も言わずにアンヤ君の言葉を待っている。
「こ……この間はわりぃ、突き飛ばして。
………オレさっき夢で、死んだ兄貴に会った。ダチと仲直りするって約束した。
オメーは今までで一番のダチ……だから、き、気まずいの嫌なんだよ！仲直りしろや！！」
謝る態度としては強気すぎるが、気持ちは充分に伝わったことだろう。彼は微笑んで小指をアンヤ君に向ける。
「仲直り、です。これでもう俺たちは喧嘩しません」
「………おう」
「なにあんたたち。また喧嘩してたの？」
「うっせーな！関係ねーだろ！！」
黙って見守っていた面々だが、この空気に耐えきれなくなったらしく好き勝手に話し始めた。……まあ、よく耐えてた方だとは思う。
「いやァ……駆堂にも、しおらしいとこがあんだねェ。見な、この鳥肌」
「奇遇だな鬼ヶ崎」
「喧嘩売ってんのかてめーら！！」
鳥肌を見せ合う二人を、元気を取り戻したアンヤ君が怒鳴りつけている。いつもの光景に少し気が楽になった。
いくら考えた所でなるようにしかないだろうから。
今できることをするしかない。
「Aちゃん、大丈夫かい？」
一人静かに決意を固めていれば急に声をかけられる。
さっきまで二人と騒いでたはずの鬼ヶ崎さんに。
「何がですか？」
「いや、やけに静かだからねェ。調子でも悪いのかと思ったんでぇ」
「あ、そうなんですね。全然大丈夫です。ちょっとぼーっとしてただけなので」
「本当に？」
私の顔色を見てるのか目を見てるのかわからないが、じっとこちらを見てくる。……思いの外信用がないな。
「本当に何もないんです。そんなことよりも……最上階、着いたみたいですよ」
エレベーターが最上階への到着を告げる。
なんとなくみんなに先に降りてもらい、私は最後に降りた。
ほんの少しでも、この先に起こることを受け止めるだけの時間が欲しかったのかもしれない。
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冬桜(プロフ) - 月見だんごさん» こんなに感想もらったことないのでとても嬉しいです！最終的にはハピエン目指してるので安心して下さい😊話が思いついたら何か書こうかと思ってはいます！！ (3月19日 20時) (
レス) id: 601e39972c (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - 更新楽しみに待ってま〜す (3月19日 20時) (レス) id: 788aaeae3c (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - 鬼ヶ崎サンカッコよすぎる😍最終話まで続いて鬼ヶ崎サンとハッピーエンドになって欲しいです。出来ればハッピーエンドの後の話とかも作ってほしいです。ナカノヒトゲノム本当に大好きです。やっぱり推しは鬼ヶ崎サンです。 (3月19日 20時) (レス) id: 788aaeae3c (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます！頑張ります！m(_ _)m (3月17日 6時) (レス) id: 601e39972c (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - 続き気になります!更新よろしくお願いします (3月17日 2時) (レス) id: 788aaeae3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬桜 | 作成日時：2023年4月14日 8時
