目覚め ページ17
二十分程経った頃、最初にアンヤ君が目を覚ました。
ボーっとする彼に忍霧さんが声をかければ、突然ボロボロと涙を流す。
「なっ、ど、どうした！頭でも打ったのか……！？」
「うっせー！！ なんでテメーに介抱されてんだ………ムカついて、涙出るわ……くそ…………」
止まらない涙を拭うアンヤ君にいつもの勢いはない。
忍霧さんは何を言うわけでもなく見守っている。
そしてアンヤ君より少し後にヒミコちゃんも目覚めた。
心配するカリンちゃんに笑顔を向けてはいるが、上手く笑えていない。
幼い頃に会ったっきりで、名字も違う、名前も違うアカツキ君が実の兄だなんて気がつくはずもない。
……まだ事実を受け入れられてないんだろうな。
「あとは、アカツキ君だけですね」
「おう、二人共起きたんでぇ。もうすぐじゃねェかい」
「……はい」
今頃アカツキ君はもう一人の自分と会ってるだろうか。
……入れ代わってるだけだと、アカツキ君にまた会うこともできると、今は信じることしかできない。
・・・・・・
「お、こっちもお目覚めでぇ」
もうすぐだろうと彼の傍にいた鬼ヶ崎さんの言葉に皆が集まっていく。だけど私は動けないでいる。
「おはよう、アカツキ君」
「大丈夫か入出」
「…………………はい」
次々と声をかけるが"目覚めたばかり"だからか、周りを観察しているように見えてしまう。
「もー……最近あんた寝すぎ」
「いやー……すみません」
カリンちゃんの心配と不満が混じった言葉に、微笑みながら返事を返している。
ゆっくりと起き上がると視線を二人の方へ向けた。
「……アカツキ、あとでちょっと…ツラ貸せ」
「…………」
「はい！もちろん」
アンヤ君にいつもの笑顔を向ける。
それを見て彼だけでなく、ヒミコちゃんも安心したのかほっと息をついた。
「よーし、それじゃ行きましょう」
「ちょっと待て。どこへよ」
彼の見慣れた笑顔と明るい声がホールに響く。
いきなりこんなことを言い出して、皆は困惑していることだろう。………私を除いては。
「最上階です」
ふと、彼と目が合った気がした。
けれど何者かわからない君には何も言えやしない。
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冬桜(プロフ) - 月見だんごさん» こんなに感想もらったことないのでとても嬉しいです！最終的にはハピエン目指してるので安心して下さい😊話が思いついたら何か書こうかと思ってはいます！！ (3月19日 20時) (
レス) id: 601e39972c (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - 更新楽しみに待ってま〜す (3月19日 20時) (レス) id: 788aaeae3c (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - 鬼ヶ崎サンカッコよすぎる😍最終話まで続いて鬼ヶ崎サンとハッピーエンドになって欲しいです。出来ればハッピーエンドの後の話とかも作ってほしいです。ナカノヒトゲノム本当に大好きです。やっぱり推しは鬼ヶ崎サンです。 (3月19日 20時) (レス) id: 788aaeae3c (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 月見だんごさん» コメントありがとうございます！頑張ります！m(_ _)m (3月17日 6時) (レス) id: 601e39972c (このIDを非表示/違反報告)
月見だんご - 続き気になります!更新よろしくお願いします (3月17日 2時) (レス) id: 788aaeae3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬桜 | 作成日時：2023年4月14日 8時
