恋する太陽 9 ページ2
「あなたのこと、何も知らないですけど、表情とか話し方とか、見てて分かるんです。違いますか」
「…」
男は黙ったまま。
僕は続けた。
「そんな風に...あの人をひとを扱うな、」
「....自分の満足の為にAを利用するな」
「…僕の、…僕の好きなひとを困らせないでくれ…」
.
言い返す隙も与えず男を玄関から押し出して、ドアを閉めた。
リビングへ走るとAがぼうっとしたままソファに腰掛けていて、その後ろ姿は今にも消えてしまいそうだった。
「A」
『...ん？』
ゆっくりと顔を上げる彼女の目には涙の膜。
ああ、そんな顔しないでよ。僕の好きなひと。
『あ、ああ、ようへいくんはアタマいいからバレちゃったかなあ…。馬鹿だよねえ、別れたのにズルズル気持ち引きずって、オマケに結婚て！はは…』
「A」
もう一度名前を呼んで、横に座る。
なんでその人が好きなの？なんで、なんで、って、疑問は止まらない。
でも今はそんなのどうでもいいと思ったから、彼女を抱きしめた。
.
暫くAは泣いて、真っ赤な目で話し始めた。
あの人と大学生のころ付き合っていたこと
浮気されて別れたこと
偶然会ってしまったこと
今も好きだということ
どれも知らなかったことばかりだ。
『元カレって、はじめくんは知ってたんだけどね、別にこんなこと、メンバーに言う必要ないから…でもこんな風にようへいくんに知られるなんて、恥ずかしいなあ』
「なんでAが浮気されるの、意味が分からない」
『あ、はは…』
へらり、と笑って彼女は伸びをした。
『だいちくんには話してたんだけどさあ、私、高校生の時は恋愛漫画ばっかり読んでて、自分は恋愛してなかったの。それで和樹に会って…初めて誰かを好きになったの』
「…うん」
『わたしが好きなのは和樹じゃなくって、もしかしたら"初めて誰かを好きになって、恋をした"って記憶なのかもしれないね？…でも…、もう分かんないの。やだなあ、このまま思い出にしがみつくのは…』
長話しちゃった、といつもの明るい笑顔で僕に言い、Aは立ち上がった。その手を掴んで、引っ張る。彼女の小さな体は僕の懐に入り込む。
『きゃ…！って、え？…なっなに…』
「ねえ、A」
『な、なに？』
「じゃあ、僕のことを好きになってよ」
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乙愛 - ごめんなさい、見えてる心でした (2019年8月3日 8時) (
レス) id: c62fef2391 (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - 見える心って終わりですか！？ (2019年8月3日 8時) (レス) id: c62fef2391 (このIDを非表示/違反報告)
アルカリ性中毒 - 続きが楽しみですだいちくんもっと出して欲しいです！ (2019年1月14日 10時) (レス) id: 02338b78c4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣子(プロフ) - oharuさん» 今私も検索したら出てきて驚愕しました…汗 BL作品ではないのですが…検索に引っかかって多くの人に読んでもらえるのなら嬉しいです！これからもよろしくお願いします。 (2019年1月7日 2時) (レス) id: ca85ba4147 (このIDを非表示/違反報告)
oharu(プロフ) - 今日、はじめんのBLググろうと思って、「はじめしゃちょー BL」だったかな？で、ググッたら占ツク出てきて、説明欄見たら結衣子さんのこの作品でして！もうビックリしました！さすがですね！私も見習お…… (2019年1月7日 1時) (レス) id: c4b3031a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結衣子 | 作成日時：2019年1月5日 17時
