恋する太陽 8 ページ1
.
編集をする手が全然進んでくれない。 彼女の先ほどの声色が気になって仕方がない。
本当は良くないけれど、こっそりと二階に上がり、「ゆ」と描かれた暖簾の後ろで会話を盗み聞きしていた。
___俺たち結婚するんだ
___これからも友達でいような?
_____結婚式に呼んだら来てくれるかしら?
どの言葉にもAの返事は聞き取りづらい。普通友人の結婚報告なら、もっと喜ぶものなんじゃないか?
hapの壁のデザインは変わっていて、隙間がある。ここなら、と思い隙間から覗き込むとAは俯いていた。
__ あの男、ウチの大事なメンバーに何をしたんだ?
気がついたら僕はリビングに入っていた。
.
「あの」
上から降って来た声に、顔を上げた。
ようへいくんだった。
彼は私の頭に手を置いて、二人を見る。
「すみません、ウチの料理長、今熱があるんです。」
「え、そうなんですか…?すみません、私達、」
「いや いいんです、移して二人の体調が悪くなったら困るので、この続きはまた後日にしませんか?」
「あ、ああ…そうします。ごめん、A」
三人が私をみた。
本当は全然平熱。だけど、その場に流され適当に返事をすると二人は立ち上がった。
玄関まで 送らないと、と立ち上がるとようへいくんがわたしを止めた。
「熱があるんだから。寝てて」
「ねえ、ようへいくん?わたし熱なんて」
小声で言うと、彼は首を振ってわたしを座らせた。
「代わりに送ります。行きましょう」
「はい、…A体調悪いところごめんな?」
『い、いや いいの…』
流れるようにようへいくんは二人を部屋から出した。
.
"和樹"と言う男の結婚相手は、御辞儀をして玄関を出た。それに続く彼の手首を僕は掴んだ。
「あ、あの?」
「…すみません、ちょっとだけ、玄関を閉めて外で待って頂けますか?」
「え?あ、はい。和樹、外で待ってるよ」
「あの…?どうかされました?」
ドアが閉まったのを確認して、僕は男を睨んだ。僕より幾分背が高い、この男を。
「Aから何も聞いていないので僕はよく分かっていませんけど、どう言うつもりでAに近づいているんですか?」
「はい……?いや、ただ友達として」
「__"自分の事を好きな女を、結婚してもそばに置いて起きたい"」
僕の言葉に男の眉毛が動いた。
244人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「YouTuber」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
乙愛 - ごめんなさい、見えてる心でした (2019年8月3日 8時) (レス) id: c62fef2391 (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - 見える心って終わりですか!? (2019年8月3日 8時) (レス) id: c62fef2391 (このIDを非表示/違反報告)
アルカリ性中毒 - 続きが楽しみですだいちくんもっと出して欲しいです! (2019年1月14日 10時) (レス) id: 02338b78c4 (このIDを非表示/違反報告)
結衣子(プロフ) - oharuさん» 今私も検索したら出てきて驚愕しました…汗 BL作品ではないのですが…検索に引っかかって多くの人に読んでもらえるのなら嬉しいです!これからもよろしくお願いします。 (2019年1月7日 2時) (レス) id: ca85ba4147 (このIDを非表示/違反報告)
oharu(プロフ) - 今日、はじめんのBLググろうと思って、「はじめしゃちょー BL」だったかな?で、ググッたら占ツク出てきて、説明欄見たら結衣子さんのこの作品でして!もうビックリしました!さすがですね!私も見習お…… (2019年1月7日 1時) (レス) id: c4b3031a85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結衣子 | 作成日時:2019年1月5日 17時