包帯と獣 2

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怖かった。なんにも知らないことだらけで、涼介の状況が思ってたよりももっと悪い気がする。
悪魔なんて、会ったこともないのに…、涼介の魂、取られちゃったのかな…


｢特別な力を使える代わりに、魂はどんどん悪魔に奪われる。そうしなきゃいけなくなった理由があるんだろうけど…｣

｢どうしてそんなことしちゃったの？？自分の命なのに…｣

｢…俺に聞かれても…きみの恋人でしょ？｣

わからない？って聞かれて、分かんないのがもどかしかった。
俯いた俺に少し体を寄せて、さっきよりも優しい声で話しかけられる。


｢彼は…何をしてたの？ずっと｣


｢…………｣

涼介は…ずっと


｢………ずっと…おれを探してた｣



《どこにいても見つけてあげる》



ひとりで、探してくれたんだ。
あの約束を守るために。


｢…涼介の身体…いつから無かったのかな…｣



こぼれた疑問に答えは返ってこないまま。


｢…黒い獣って、嫌われてるんだよね…｣

｢…ぇ……うん…そう、みたい｣
なんでいきなりその話…。
違うって否定しようとしたら、圭人の話が続いた。


｢俺がこの街に来た時…騒ぎがあったんだ。黒い獣が、街の子供をさらったって｣

｢…涼介はそんなことしないよ！｣

｢そう、実際にはさらわれた子なんてどこにも居なかった。野犬とかと見間違えたんじゃないかって、騒ぎはすぐにおさまってた。…でも、おばけ達がその真相だとかいって噂してたんだ…｣

｢真相…?｣

｢その事件があったとき、獣は退治されたんだって…でも力が強すぎて殺せなくて、街の地下に閉じ込められていて、満月の夜だけ出てくるって｣

お化けがみんな言ってた。誰にも言っちゃいけないんだよって。

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