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「………お、俺だよ……涼介」
「え?」
「涼介でしょ…?…ほら、おれ…」
フードも仮面も取って、あ……包帯が緩んでる…隙間から指が見えた。
やっぱり涼介だ。絶対…間違いないよ…
「ごめん…人違いだよ。俺その人じゃない」
「うそだっ、涼介じゃん。なんでそんな嘘つくの」
「嘘じゃないよ…君のこと知らないし俺」
「………………」
知らない…?
少しだけ見上げるように見つめてくる優しい瞳。大丈夫?って聞く声も全部そのまんまなのに。俺が知ってる涼介なのに…どうして?
俺のこと、忘れちゃったの…?
「あっ、ゆーり!」
俺の背後を見て気づいたように涼介が呼びかけた。その先にはゆうりが笑って立ってた。
涼介はそこへ駆け寄って俺から離れてく。
「ねぇこの子だれか探してるみたい。えっと…だれだっけ」
「ふふ…りょうすけでしょ」
「あそうそう!なんで知ってんの?」
「なんでもわかるんだよ僕」
「なんだよそれ…」
笑って話す二人を見てると、凄くもやもやして、嫌だった。
どうして。俺にはそんな風に笑ってくれないのに…夢で会った涼介と違う。俺の知ってる涼介と、ちがう。
なんで?
「あの子のことは僕に任せて、家に帰ってて」
「え…うん。」
いえ?
涼介の家はそっちじゃないよ。
「睨まないでよ、怖いなぁ」
「……涼介…どこいくの…」
「聞こえなかった?ぼくの家だよ」
「ちがう…涼介は、おれと一緒に…」
帰るんだよ、家に…
「ふーん…じゃあ、返してあげてもいいけど」
「………」
「何と交換してくれる?」
.
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yuri4011(プロフ) - すごい面白いです!続きが気になります! (2020年2月12日 17時) (レス) id: 5eea78a02f (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 桜夜兎。さんありがとうございます!! 本当に貼りすぎた伏線の回収に必死状態です(笑)感想いただけて嬉しいです!!!これを糧に更新がんばります!!(^^) (2018年12月17日 10時) (レス) id: 9619f20ec7 (このIDを非表示/違反報告)
桜夜兎。(プロフ) - 凄く続きが気になるお話で、引き込まれるようなストーリー性に驚きました(*^^*)更新するのは大変だと思いますが、頑張って下さい、応援してます! (2018年12月15日 10時) (レス) id: 13ee6b4345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2018年11月23日 8時