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開いた扉から風が吹き込んできて、部屋の中で色んなものがバサバサ揺れる。
同時に何かが部屋に入って来た。
ゆったりと大きな影が現れて、僅かな月明かりでその姿が暗闇に浮かび上がった。
…なに、あれ……
吸い込まれそうなくらいの真っ黒な毛に覆われた、大きな獣。
暗闇でふたつの瞳がギラギラ光って、黒い獣はグルグル唸りながらさっきまで俺が寝てたベッドを嗅ぎ回ってる。
なにこいつ…なんなの
どうして、この部屋に来たんだ?
なにをしに?
怖い。こわい…
ほんとに訳が分からなくて、息を殺してドキドキ鳴る胸を押さえてた。
不意に、大ちゃんが話してたうわさ話を思い出す。
『悪魔の使いで、捕まったら地獄に連れていかれるんだよ』
まさか、こいつがそうなのかな…ほんとに居るの…?
地獄に連れていかれる…?
見つかったらダメだ…殺される…
そいつが部屋を歩き回るたびに床がギシギシ鳴って、どんどん自分の方に近付いて来てる気がして怖くて怖くて叫びたくなった。
お願いだから、はやくどこかに行ってくれ。
おねがい。お願い。
必死に息を殺していたら、いきなり何も音がしなくなった。獣の息遣いも、外でびゅうびゅう吹いてた風の音も、不思議ともう聞こえない。
居なくなった…のかな…
閉じてた目をうっすら開いたとき、すぐ傍で声がした。
『やっとみつけた…』
「ひ!!…やだっくるなっ…」
見つかった。殺される。食べられる。捕まったら終わりだ。
もうそれ以上逃げ場はないのに、部屋の隅にうずくまってとにかく小さくなる。
来ないで。来ないで。
『ここから出してあげる…』
背後から聞こえた声は酷く優しい声だった。
そういえば、誰が喋ってるの…
『だから…俺のところに来て』
恐る恐る振り向くと、さっきまで獣がうろついてた部屋の真ん中に、男の子が立ってた。
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はな(プロフ) - 返信遅れてごめんなさい(><)ありがとうございます!!!何よりうれしいです!!好き勝手書ていますが、ちゃんとハッピーエンドになるので、どうかこれからもよろしくお願いします! (2018年11月1日 1時) (レス) id: 9619f20ec7 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプlove - とてもこの作品好きで何度も読んじゃってます!続き凄く凄く楽しみにしてます!待ってます♪ (2018年10月30日 17時) (レス) id: 1b7715a916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2018年10月16日 12時