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「ケイ…いきなりどうしちゃったの??ねえ…」
「ごめんごめん、やぶは大丈夫みたい」
「あっヒカル!ケイが変なんだ、いきなり泣き出して…」
「え?」
戻ってきた光が、大ちゃんと一緒になって俺を見てどうしたのって慌ててた。
俺は胸にぎゅうってあの絵を抱きしめて、光にお願いをしなきゃと思った。
「……この絵、俺にください……おねがい……。おねがいします…」
「……どれかな…」
全部大事で、手放せないって言ってた。
無理なお願いかもしれない。でも、どうしても、これだけは。
そっと手を解いて二人に絵を見せた。
光の顔は少し驚いたけど、小さく息を吐いて微笑んだ。
震える俺の手を、上から握ってくれた。
「…………いいよ。…きみにあげる」
「…ほんとに…?」
「うん…でもどうして…?」
どうしてこの絵なの?
「……大事な人の…、……声がするんだ……」
ずっと探してた
会いたかった
紙の上にいる獣にそっと触れた。
獣は、やっぱり彼だったんだ…
そんな気がしてた。ずっと前から、知ってた気がする…
「……声か……」
また絵を胸に抱いた俺の頭を、光は黙って撫ででくれた。
「…黒い…オオカミの絵……」
「……大ちゃん…」
「これ、ヒカルが描いたの…?いつ?」
「…そうだよ。…何年か前の、ハロウィンの時期だったかな…」
「見たの??この獣!」
「………うん……みた。見たら死ぬっていう噂だけど、嘘だったみたいね」
おれ生きてるし。
そう言って笑った光に、大ちゃんは笑わなかった。
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はな(プロフ) - 返信遅れてごめんなさい(><)ありがとうございます!!!何よりうれしいです!!好き勝手書ていますが、ちゃんとハッピーエンドになるので、どうかこれからもよろしくお願いします! (2018年11月1日 1時) (レス) id: 9619f20ec7 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプlove - とてもこの作品好きで何度も読んじゃってます!続き凄く凄く楽しみにしてます!待ってます♪ (2018年10月30日 17時) (レス) id: 1b7715a916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2018年10月16日 12時