冬の約束

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「……そっか。君が…」
「おれがなにか…」

「君が見つけたウサギ！ほら持って！」
「え、わっ」

持たされたウサギはさっきまで暴れ回ってたのに大人しくなって俺にくっついてきた。
か…かわいい…。なでなでするとスンスン鼻を近付けてきて、なんか懐いてるみたい…なぜかわからないけど…

ｶｼｬｰ

「えっ？！」
写真撮った??

「いやすぐ報告しなきゃだから。伊野尾くんが見つけましたって」
「電話だけでよくないですか…」
「証拠証拠。悪用はしないからね」

ニヤニヤと笑う顔がもろ悪用しそうな雰囲気しかなくて恐怖…この先生やばいし…どうしよう犯罪に巻き込まれたら…


ガサ…

「ひっ」
なに？いま先生の背後の茂みが動いたよ

ガサガサ…

「なっなんかいますよそこ！」
「え？まだウサギ逃げてたのかな…」


『…キュウ〜…』



！！このボロ雑巾のような毛むくじゃらは…！！！



「だいちゃん！！」



「…え？」

「え？…あっ、いや大ちゃんじゃないわ何言ってんのおれ」

なんでだ…行き倒れたぬきのことをつい大ちゃんて呼んじゃったよ…
薮先生に不思議な顔されてはっとした。
なんか、一瞬フラッシュバックしたような…変なの
それよりたぬきがこんなとこいるなんて、びっくりした…

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