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「ねぇ、何持ってんの?」
「え……」
「手、なんか握ってる」
「あ……、これは…おまもり…貰ったんだ」
「だれに?」
「えっと…えっと、…山の……神社のひと」
綺麗なお守りだった。
握りしめすぎてちょっと歪んでたけど。
神社のひとって…親とかじゃないんだ。
大ちゃんの両親って、どんな人なんだろ…
「あっこの駅だ。大ちゃん降りるよ」
「うん」
「お、ちょっと慣れた?」
「うん!電車すげー!」
あんな怯えてたのに、途中からは窓にはりついて外を流れてく景色に夢中になってた。目的地に着く頃には目はキラキラしてて、明日も乗る!って意気込んでた。
「じゃあ、ここからは歩けるの?」
「うん!すぐだよ!」
「そっか、じゃーおれ、帰るよ」
「あっ、ありがと!いのちゃん!」
大ちゃんの後ろには緑の山々が並んでて、その景色に足が不意に止まった。
これから秋になるんだ…きっと紅葉したり、景色も綺麗になりそう。
「あのさ!こんどおれんち遊びに来て!」
「大ちゃんち?」
「そうだよ!マイハウス!俺もってんだから!」
「いや、家主みたいに言わないで」
「あっ…でもいのちゃん入れないか……」
入れない?どういう家?
「まいーや、じゃーねー」
機嫌よく走って去っていく後ろ姿を見送った。
足速いよなあ…
大ちゃん、明日電車反対方向だけど大丈夫かな…
電車の試練clear☆
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けーまま(プロフ) - タヌキの大ちゃん!!相変わらず瓶底メガネなんですね…かわいいᐢ⓿ᴥ⓿ᐢヘトヘトになるまで郵便屋さん頑張る健気な大ちゃんのお話が楽しみです😊 (2023年4月24日 14時) (レス) @page2 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - こんにちは。スピンオフ嬉しいです!!だいちゃんの活躍が楽しみです^ ^ (2023年4月24日 10時) (レス) id: 106f0992f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2023年4月23日 19時