5 ページ5
.
放課後、大ちゃんを連れて再び駅へ
大ちゃんちは俺の親戚の家の近くで、去年行ったから行き方も覚えてる。
けどここすっげー田舎だよ。携帯の電波もないくらい。
たしか最寄り駅からさらにバスに揺られた。
歩いて3時間とか言ってたけど、絶対に3時間以上かかると思う…
まぁ電車に乗ればまだマシだ。
早く教えてあげなきゃ。
「大ちゃん、大ちゃん大丈夫だから!通りな!」
「いやあぁぁ」
「なにしてんの!ほかの人のめいわくだからっ」
「やぁぁむりぃぃ」
自動で出てくる改札のバーに怯えきって先に進めないでいた。
「いけるって!ちょっと恥ずかしいから早く行けって!」
「いのちゃんっ助けてよ!」
「いや助けるっていうか」
通るだけじゃん!なにしてんだよ!
周りの目が迷惑な高校生を見る目になってきてるから!
ふざけてるわけじゃなくてほんとにこの子世間知らずなんです!と言い訳したくなる。
「もう行くよ、ほら!」
仕方なく大ちゃんち行きの切符を奪って改札に通して、バーが開いた瞬間、背中を押した。
わぁーって言いながら前に飛んでいくのをすかさず追いかける。
「ほら、なんも無いでしょ。」
「はぁ…うん…つかれた…」
疲れたのはこっちだよまったく…
ホームで電車を待ってるときも、大ちゃんはそわそわして、いよいよ電車が近づいたときに真っ青になって倒れそうになってた。
「……こわい…こわすぎる……でかい…」
「乗り物はだいたい俺らより大きいよ」
「はやい…こわい……」
「早く移動するためのものだからね」
大ちゃんはずっと震えながら、手をぎゅって握ってた。その手に何か握られてるのに気づいたのは電車に乗りこんでから。
結局一人にするのが心配過ぎて大ちゃんちの最寄り駅まで送ることにしたんだ。だってたぶん絶対降りれないからこの子。
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
けーまま(プロフ) - タヌキの大ちゃん!!相変わらず瓶底メガネなんですね…かわいいᐢ⓿ᴥ⓿ᐢヘトヘトになるまで郵便屋さん頑張る健気な大ちゃんのお話が楽しみです😊 (2023年4月24日 14時) (レス) @page2 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - こんにちは。スピンオフ嬉しいです!!だいちゃんの活躍が楽しみです^ ^ (2023年4月24日 10時) (レス) id: 106f0992f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はな | 作成日時:2023年4月23日 19時