冬の約束

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四限終わりのチャイムが鳴って校内がざわざわする中、
大ちゃんと一緒に食堂に向かった。
校舎の一階の端っこにあるけど、一年生はあんまり居ないんだよね。


「ここが、しょくどう…｣

「お弁当無いときはここ来たらいいよ。お金持ってね。結構メニュー沢山あるよ｣
「めにゅー？｣
「ほらラーメン、カレー、うどん、日替わり定食｣
「わぁーすごっ！｣
「大ちゃんなんにする？｣
「どれにしよぉー｣


メニュー表を覗き込む後ろ姿、なんだか小動物みたい。興奮してぶんぶんしっぽ振ってる幻覚がみえた。


「いのちゃんは？どーすんの？｣
「うーん…どーしよっかな…｣


日替わりは今日…とんかつかぁいいなぁ…
けど朝から今日はうどんの気分だった。ここのうどん美味しいんだよね


「俺は今日きつねうどんにしよっ｣

「き！！……………きつね？｣

「え？｣
「きつね……た、食べるの…？うそでしょ｣

なにそのリアクション。
きつねうどん知らないのか？

「いやキツネが入ってるわけないじゃん。お揚げが乗ってるやつだよ｣

「ひいいい！！！たっっ！！たぬきもあるよ？！｣


大ちゃんはきつねうどんの横に並んだたぬきうどんの文字を指さして震え上がってた。


「ウソでしょ…そんな……にんげん…こわい｣
「え？大ちゃん？｣
「わあぁっ！食べないでぇぇぇっ｣


びびって逃げ帰っていくときと全く同じ速度で
大ちゃんはびゅーんっと居なくなってしまった。



あいつ………変だよ。


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