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蝉時雨【美門×若武】 ページ3

それは、まだ小学2年位のことだった。


「わぁ...!」


他のヤツらと比べて少し小さい身長。クセのない艶やかな髪。何より場の視線に緊張して萎縮するどころか輝きを増すダンスに、圧倒された。

((大会が終わったら、話しかけよう))






「優勝は、美門翼くんです!」


その時は、素直に嬉しかった。周りの祝福の声を誇りに思った。けれど、


「ねぇ、君──」


アイツは、俺を悔しそうに見つめてから走り去っていった。






それから、ダンスに面白さを感じなくなった。アイツがどこの会場でも見かけなくなったから。
アイツと話がしたくて、ライバルになりたくてやっているのに、アイツは見つからない。ダンスなんて楽しくなくなった。ダンスを辞めると、それ以降何もやる気がでなくなった。
アイツ以外に、熱くなれるライバルはいなかった。努力して上に行けばいくほど、自分を高めるものがなくなっていった。


「っ、お前!」


久しぶりにあったアイツは、何も変わってなかった。ただ、1つ。

((あ、可愛い))

これは、俺が変わったんだろう。なんだよ男が可愛いって。

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黒狐(プロフ) - みるくさん» 感想ありがとうございます!その言葉一つで頑張れます・・・! (2020年1月28日 20時) (レス) id: b9036ee356 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 神ですか…神なんですね…よくわかりました… (2020年1月14日 20時) (レス) id: 6d86c3410b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒狐 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年12月25日 0時

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