風 ページ7
不死川：「いいかA？絶対に忘れんな。風はなァ、世の中に溢れてる。自然の中でそよぐ風、台風みたいな強い風。目に見えなくても風は色んな形になる。雨を運んでくる風、夏の暑さを和らげる風。時には火の粉を連れて大火事を起こしたり、家を吹き飛ばす。その破壊力は戦闘では欠かせない。ひと風吹けば戦況をひっくり返すことが出来る。」
A：「戦況をひっくり返す……………風だけでですか？」
不死川：「そうだァ。自分の風を追い風にする。簡単そうだがとても難しい。でもこれができれば勝利の風が自分へと吹く。」
A：「勝利の風………あの！自分の風を追い風にするのは、どうすれば出来るでしょうか？」
不死川：「自分の風を………剣技を信用することだな。例えば、相手が炎を使う攻撃なら、風で払えばいい。逆に仲間が炎を使うなら、風を使ってさらに強い技にしてやれる。風は変幻自在、無敵なんだ。ただ、お前は風を最大限に使えない。でも美の呼吸は風の派生だ。だから基本を忘れるな」
あぁ、そんな事もあったなぁ。私が美の呼吸を作ってすぐに言われた言葉。ここで負けてたら継子として失格だ！立て！柑吾を殺さないと！
A：「っ！アァァァァ！」
柑吾：「ふぅん。まだ立てるんだね。以外と遊びがいがあるねェ？」
拾の型 睚眥之怨・愁い顔、風神！
血鬼術 残響・生け贄の血！
柑吾の技は柑吾を取り巻くように血の塊が飛び回る。血は変幻自在。いきなり尖って襲ってきたり、柑吾への攻撃を防ぐ盾のような役割もしていた。
でも私の技も負けていない。この技は大小様々な斬擊を素早く打ち込める。両者透けて見える世界を使いこなせるため、戦いは互角！しかし、技に『風神』を混ぜたことで、相手の攻撃を少しずつ削ぐことができた。
スパンッ！！！
A：「っ、はぁ、はぁはぁはぁ………」
柑吾：「ッテメェ！調子乗んな！もう三回目だぞ！よくも首を斬りやがったなァ！」
柑吾の殺気と、上弦の参のあたりから嫌な気配がした。
斬っても斬っても死なない柑吾は、斬られる度に怒りがまし、士気が上がるばかりだった。これじゃ私だけ疲れて、柑吾だけ強くなってしまう。終わりの見えない戦いに手を焼きながらも、殺すための糸口を見つけるため、なんども柑吾に刃を振るったその時！
「上弦の参討伐！上弦の参討伐〜！」
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作者名：クテシフォンらるるん | 作成日時：2020年4月24日 15時
