幸せと未来 ページ20
珠世 「不死川さんも、同じカウンセリングを受けてもらいますから大丈夫ですよ。」
「ま、まって!」
そうだよ。強制的に記憶を戻してなんになる?傷つくのは私だけで良い
「実弥さんには、カナエ先生がいます。記憶を取り戻して私への気持ちに変わったらカナエさんが傷つく。その逆は私が傷つく。そしたら実弥さんも傷つきます!」
??? 「そのことなら、心配ないぜ?」
行きなり入り口が開き、電気が部屋に入り込む。その眩しさに目が眩む。
でも、その声は私が求めていた物だった。
「実弥さん!あっ、し、不死川先生。どうして」
「俺だけ飛び出してきて、A先生を残してきちまったから心配になって戻ってきたんだ。そしたら扉の前で急に記憶が流れ込んできてな。俺も思い出した。」
唖然とした。言葉も出ない。それでも、実弥さんは続ける
「それに、カナエ先生も他の鬼殺隊のやつらも記憶があったんだ。ないのは俺とお前だけだった。それに、カナエ先生とは何にもねぇよ?むしろ面倒見が良すぎて怖いくらいだ。俺は今でも、お前が好きだ」
涙が込み上げた。それは今まで満たされなかったものが、今やっと満ちた感覚。
「遅いよ…………わたしだって今でも好きです。」
「本当。遅くなっちまった。でも、本当に巡り会えた。これは運命なのかもな。」
珠世さんの前だというのに、二人でオロオロと泣きながら抱き合った。
あぁ、今やっと。やっと結ばれる。
「実弥さん?『いつの日か』会えるって思って、そう願ってあのとき死んだんです」
「あぁ、『いつの日か』来世は会えるといいたそうな死に顔だったよ。」
「鬼舞辻、倒してくれたんですね?」
「俺だけじゃない。みんなの力だ。それに、鬼舞辻と戦ったあと、一悶着あったらしが、俺は眠っちまったし……でもこれで、やっと向き合えるよ」
「はい。私もです。」
一年後、職員室にて
「今日から改名されました不死川A先生です。結婚おめでとう。」
「「「「「おめでとう!!」」」」」
実弥さんと私はしあわせに包まれていた。
不死川 「『いつの日』か、大家族になろうな」
「それは『いつの日か』ではなく、結婚したんですから、きっと叶いますよ」
誰にも聞こえないように、互いにそっと耳打ちをした
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作者名:クテシフォンらるるん | 作成日時:2020年4月24日 15時