誓い ページ16
不死川side
ふざけんな。神様、テメェ呪うからな！
Aはまだまだなんだぞ？
俺から大事なもん全部取ってんじゃねェよ！
「オイ、ふざけんな！勘弁してくれ、そんな……Aまで連れてかないでくれ！」
A：「っ、フッ……！」
Aが必死に何か伝えようとする。
痛いほど分かる。でも、傷が悪化するから、お願いだからしゃべんじゃねェよ
不死川：「しゃべんな！しゃべんなくていいから、頼むから死ぬんじゃねェ！」
俺の涙を見て薄く微笑むAは体が冷たくなってきた
もう長くない。そう感じた
Aの体が小刻みに震えだす。いよいよ俺は冷静でいられなかった。
でも、取り乱すのは許さないとばかりに、その小さな冷めた手で、俺の体に必死にしがみついた
必死にしがみついているであろうAの力も、実際は弱々しかった
何か伝えようとするその声に、全神経を耳に集中させたが、
「っ、さ……み、さ……ん……ﾊｧ、ﾊｧ……」
聞こえたのは死にそうな吐息ばかりだ
「もういい、もういいからしゃべんな！もうやめてくれ、本当に！」
俺をもう、悲しませるな！一人に寸じゃねェ！
でも、Aは感じるか感じないかの強さで、それでもさっきよりは強く俺にしがみついた
俺も強く抱き締め返した
自分の両腕を俺の首に回し、耳に口を寄せた
A：「わ、たし……さね…み……さんの……つぐこ……で、よかっ……た。好きに……なって、よかっ……た。今まで……ありが、と……ござ……い……ました。私は………死ぬ……けど……実弥…さ…んは…いき、て……くだ、さいね」
遺言のような、もう終わりなんだって知らしめられ、涙が止まらねェ！
「何弱気なこと言ってんだ！死ぬんじゃねェ！駄目だ、もう戦わなくて良いから！死なないでくれ！」
チュッ！
その瞬間、絶望が込み上げた。Aの冷たい唇が重なって、いつもの暖かさはもう微塵もない
きっと、最後の力を振り絞った、俺への気持ちなのだろう。
ドサッ
鈍い音と共に床に転がるA。その死に顔は『また来世で会える』とでも言えそうなほど落ち着いた、優しい顔だった
俺は優しくその体を抱き上げ、その唇に接吻を落とした。
絶対に鬼舞辻を倒すからな！
だから、
いつの日か…………
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作者名：クテシフォンらるるん | 作成日時：2020年4月24日 15時
