二つの焔 ページ14
とっさに実弥さんに駆け寄ろうとするが、朔に止められた
朔によると、上弦の壱は討伐されたが時透君と玄弥君が重症であり
上弦の壱は自害した。さらに、時透君は一時的に刀を赫刀にし、鬼の威力が下げ、玄弥君の血鬼術によって鬼の背中へ攻撃したことが討伐へと繋がったそうだ。
A:「それは、自害とは言わない。例え鬼が自ら戦うことを諦めて死んでいったとしても、そこまで持っていったのはこの四人なんだから。それに、刀を赤く染められれば無惨にも効くかもしれないよね。朔、できるだけ多くの人に情報を伝えて!」
朔:「もうお館様が手配してるアル!」
朔の情報を頼りに、見えてきた標的の倒し方を組み立てていく。でも、まずは実弥さんの所に駆けつけた
しかし、目に入った重症の時透君に思わず足止めをしてしまう。
A:「っ!嘘!だめ、駄目だよ!まだ、まだ逝かないで!時透君!」
何度も呼び掛けた。
でも、返ってきたのは沈黙、沈黙
そう。もう、死んでいた。
A:「そ、んな………まだ、早すぎるよ……私、私がもっと、もっと早くに来ていれば……」
悲鳴嶼:「A!」
悲鳴嶼さんの強く、岩のような存在感のある声に我にかえる
悲鳴嶼:「時透は刀を赤く染めた。上弦の壱を追い詰められたのはその力あってこそ。鬼殺隊として立派だったのだ。だからこそ、時透の死を無駄にしてはならない」
そうだ。そうだよね………私、私達は、時透君に感謝しないといけない。
A:「時透君、ありがとう………鬼舞辻は、絶対に、絶対に倒すから!」
私はのしあがる悲しみをグッと堪え、鬼舞辻への怒りを募らせていた。
不死川:「迷惑なんか一つもかけてねェ!!死ぬな!俺より先に死ぬんじゃねェ!!」
隣からも、実弥さんの必死な声が聞こえてきた。
私は駆け寄りたいのに、どうしても動けなかった
玄弥君が消えかけていたから……
玄弥:「兄ちゃん………Aさんと、幸せになって………守り抜いて………」
不死川:「分かってる、分かってる!Aもお前も守り抜くから!だから、死ぬんじゃねェ!」
玄弥:「つらい思いをした……兄ちゃんには……幸せになって欲しい。大丈夫………俺の…兄ちゃんは……この世で……一番…優しい……人………だから……」
不死川:「あ゙あ゙あ゙あ゙!頼む神様!弟を連れて行かないでくれ!お願いだ!!!」
47人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クテシフォンらるるん | 作成日時:2020年4月24日 15時