27:謹慎処分(切島side) ページ30
｢…………で、でも！だからってAを傷付けていい理由にはならねェ！｣
校長:｢落ち着いて切島君。でも、そういった攻撃は無くならない。そんなこと、彼女は100も承知で雄英に特別入学したんだよ。｣
｢でも、Aは震えていた。怯えていた。周りからの攻撃があると承知してても、傷付つかない訳じゃない！」
校長:｢君の気持ちはよくわかるよ。でも、暴力は駄目だよ。今回は個性を使わなかったからまだいいけど、個性を使ってたら退学だったよ。個性を使った暴力はヴィランと同じだからね｣
まだ納得いかねーけど、暴力は良くないことは分かってたし、｢すんませんでした！｣と謝ることしか出来なかった。
そして、｢1週間の謹慎にする｣と言われた。
その時だった。
ドタン！！という大きな音と共に外気が入ってきて、よく知っている"あの香り"が鼻を掠めた。
『待ってください！！！！！！』
切島:｢っ！A！｣
走って追いかけてきたのだろうか、息が途切れ途切れになり、肩で息をしている。でも、確かな足取りで俺と校長の方へ歩いてくる
『校長！わ、私、私のせい、だから！っ切島君、は、悪くないから！っ、だから、切島君の謹慎は、おかしい！……です』
息の切れた、喘ぎの合間で必死に弁護するAは、俺のよく知っている、逞しいAだ。
校長:｢確かに君に原因があるかもしれないけど、悪いことはしてないし、実際、切島君は暴力をふるってしまったからね……こればっかりは……｣
言葉を失う俺をよそに、校長は正論を突きつけてくる。
『な、なら！！私も謹慎にしてください！！』
それでもなお、引き下がらないAに、校長も折れて、2人で1週間の謹慎となった。
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まだお昼なのに下校するのは変な感じがする。
隣を歩くAは、何故か笑顔で隣を歩いていた
｢すまねェ。俺のせいでAまで………｣
男らしくない、弱々しい声がじめっとした夏の涼風に消えていく
『謝らないでよ。私、嬉しかったよ。誰かが自分のためにこんなに怒ってくれて……気持ちを代弁してくれて……嬉しかった。だからありがとう！』
お日様の雫のような笑顔が向けられて、ドキッとする
｢……俺、後悔してねーよ。アイツらの言葉は許せねーし。でも、反省はしてる。｣
『うん！』と微笑むAの横顔を見て、強くなりたいと……そう思った
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作者名：クテシフォンらるるん | 作成日時：2020年12月9日 17時
