26:男らしさ ページ29
???:｢あれだろ？神々廻鬼無。A組の奴。特別入学したくせに、短期決戦しか出来ない弱いやつ｣
Aちゃんの方がビクッと震えた
???:｢個性チートなんだからちゃんと個性磨けよって思うよな……｣
隣を歩きながら俯く気配がする
???:｢精神ショックで個性一時期出なかったらしいよ？｣
ふと隣を見ると、唇をかみ締めて拳を強く握っていた
???:｢ヤバ！メンタル弱くね？そんなんでヒーロー志望とかウケる！てか、父親殺されたのによく平気そうな顔してるよなー｣
平気なわけないだろ！そう言いたい気持ちをぐっと抑える
???:｢仕方ないよ。もともと家出した問題児なんだから………｣
プツン！と、俺の中で何かが切れる音がした。と同時に……
ゴンッ！という音と右腕に鈍い痛みが走る
キャー！という女子生徒の悲鳴。ざわめく生徒が集まって来る。
殴っちまった……でも、俺は冷静だった
｢お前ら……無責任なことばっか言ってんじゃねーよ！"A"は人間だ！親が死んで傷付いて当たり前だろ！ショックを受けるのも当たり前だ！なのに、お前ら、人の気持ちを考えずにのうのうと悪口言いやがって！ふざけんな！｣
しんと静まる学校。Aだけが驚いた顔でこちらを見ている。
すぐに相澤先生が来て、俺は校長室に連れていかれた。でも、後悔はしていない。どうしても、Aの傷付いている顔を見たくないと思ってしまったから……
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今さら傷付かない。傷付いちゃいけない。
そう思うのに、俯いた顔を上げられない。切島君に見られたくない！
｢お前ら……無責任なことばっか言ってんじゃねーよ！"A"は人間だ！親が死んで傷付いて当たり前だろ！ショックを受けるのも当たり前だ！なのに、お前ら、人の気持ちを考えずにのうのうと悪口言いやがって！ふざけんな！｣
はっ！とした。切島君は男気があって、
でもごめんなさい。
切島君は私のために怒ってくれているのに、初めて名前だけで呼んでくれたことに……Aと呼んでくれたことにキュンとした自分がいる
あの後、切島君は校長室に連れていかれた
私は無意識のうちに彼を追いかけていた
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作者名：クテシフォンらるるん | 作成日時：2020年12月9日 17時
