10:恋敵 ページ13
切島side
上鳴と峰田が店を追い出されていた5分。轟とは別に仲が良い訳では無い。気まづくなって｢帰るか｣と声をかけてみる
・・・
無視かよ……
『俺は帰るぞ……』
｢神々廻A……｣
『は？』
｢お前、好きなんだろ？アイツのこと｣
焦った。心臓の音がうるさい。周りの音が聞こえない。女子たちに会話が聞かれていないかと心配になる。が、俺は平常を装う
『轟、外に出ようぜ……ここじゃあれだ』
｢あぁ、そうだな｣
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『轟……お前、今日なんか変だぞ！』
｢別に…俺はいつも通りだ。いつも通りじゃないのはお前だろう切島。｣
『っ、』
｢あからさまなんだよお前は。男らしく……お前らしいがな……腹立つんだよ！｣
『は？腹立つって、やっぱお前変だぞ！』
｢…俺は、俺は……アイツのことが……｣
『っ、お前まさか……Aちゃんのこと…』
｢それだよそれ！名前で呼びあって、あからさまに一緒に登校してきやがって！｣
『なんだよそれ、お前、そんなに好きならお前からアピールしろよ！男だろ！！』
｢男、男ってうるせーよ！俺はお前とは違う。"春の日差し"には慣れないんだよ！｣
『春の…日差し……』
｢……悪い。取り乱した。忘れてくれ｣
『あっ、おい待て！！』
去ってゆく轟の背中は哀愁に溢れていた。真っ赤な夕日を、たくましい背中に背負って……
『俺も……俺も負けられねぇ！！』
轟がAちゃんを好きなのは正直驚いたが、そんなことはどうでもいい！
男なら、正々堂々と勝負するしかねぇ！
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ピロン！
LINEだ
AちゃんとLINE交換して3日。まだ1度も話していない。もしかして！と期待してスマホを覗き、落胆した
芦戸切島、アンタAちゃんのこと好きなの?
は?いきなりどうした?
芦戸もう!誤魔化さないで! 何年一緒だと思ってんの?私に誤魔化しは効かないんだからね!
うるせー!そーだよ。好きだよ。だとしたら何なんだよ
芦戸えっ?ずいぶんあっさり認めるね まあ、応援してるよー!切島ファイト!ちなみにAちゃん以外の女子は切島のこと知ってるからねw
『はあぁぁぁぁぁぁ？？？？』
芦戸…余計なことしやがって…
しかし時すでに遅し…だった
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作者名：クテシフォンらるるん | 作成日時：2020年12月9日 17時
