43話 ※ ページ44
「ん、……!」
気がついたら、押し倒されていた。そして、一瞬で服を脱がされて、ベッドに沈んだ。
「ごめ………なんか、止まんねえわ」
ガキ臭くてごめん、こどもで、ごめん、とキヨさんの口からずっと出ていた。
それに反して、私の肌に唇を寄せる。
ちゅう、と胸の近くを吸われた。
たぶん、痕がついただろう。
「う、……ッ、あっ、んん、」
自然と自分の口から甘い声が溢れた。気持ち悪くなるだろう、と手を噛もうとしたら、両手首を掴まれた。片手で纏められる。
「ごめん……」
キヨさんはごそごそとベッドサイドの机を漁る。
何を準備しているのは、わかったけど、今日は、凄く、はやい。
それをわかっているからか、ごめん、とまた謝罪の言葉を残した。
「お前が知らない男にキスされたとき、そいつのこと殺してやろうかと思ったんだ」
「………な、」
「お前のこと汚したくせに、何言ってんだかって感じだけど、な」
ちゅう、とキスを送られているうちに、準備が出来たらしい。
彼の体をちらっとみて、目を思い切り逸らした。
まって、ほんとに、だいじょうぶ、なの?
「……ちゃんと、上書きしないと、気が済まないんだわ」
「き、きよさ、まって、」
「………多分、今夜は寝かせられない気がする」
もうそんなに体力はないんだけどさ、と言いながら、彼は私の腰を掴んだ。
そこから、記憶がない。
*
「……やりすぎた」
「……じかく、あ……るんで…す……」
か、とまでは、声が掠れて言えなかった。
キヨさんは私の声に驚いて、慌てて冷蔵庫に走る。
そして直ぐにペッドボトルをくれた。私は両手を一生懸命動かして、一気に飲む。
「……ごめん、ほんと、俺、ダメな彼氏だわ」
「……謝罪と行動が一致してないんですよ」
シーツがベトベトしている。もちろん私とキヨさんの体も汗だくだ。
気持ち悪くて身動ぎしても、どこもかしこも濡れている。
ここまで激しくされたのは初めてだ。
「……何も言えねえ。俺だってドン引きだわ」
はぁ、とキヨさんは目のやり場に困ったのか、私に背中を向けた。裸のまま、自分用に持ってきたお茶をごくごくと飲んでいる。
「……ったく、猿かよ」
そう吐き捨てたキヨさんの背中は、後悔の文字が書かれているのがわかる。
だから、なんとか力を振り絞って抱きついた。
と言っても、すぐにずるりとベッドに落ちたけど。
「……A?」
「それでも、大好きなんですよ」
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りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます! (2020年3月6日 13時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです!キヨのこともっと好きになれました! これからも頑張ってください!! (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします! (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして!いつも拝見させていただいています!たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます! (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです!年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2019年12月10日 14時