38話 ページ39
｢………あーあー、すげーの見ちゃったなァ｣
……妙に聞き慣れた声だと、頭の隅で思った。
と、同時にぱしゃり、とカメラの音がした。私たちはビクリと反応して、そのシャッター音がした方を見る。
長身の男の人が、マスクをして、こちらにスマホをむけていた。
｢…………えっ｣
｢は？おにーさん、なに？｣
｢ひかるくんだっけ。君、○○大学のミスコン1位の○○ちゃんと付き合ってるって有名だよな？｣
知らない情報だ。私は首を傾げているが、ひかるくんは思い当たる節があるらしい。余裕があった顔が、少し崩れている。
｢………それが、なに｣
｢それがなに？？ってお前この一部始終、撮られたんだよ。俺に｣
ちらちらとスマホの画面を見せる男の人、そこには、私とキスをしている画像が大きく載っていた。
｢………ッ。冗談やめてくれよ。今のは酔った勢いで、ていうかあの子とはもう別れるって決めてるから｣
ひかるくんはさすがにまずいと思ったのか、その場の言い訳をする。
｢へえ……？？決めてるってことは、まだ別れてないってことだよな？｣
｢……そうだよ｣
｢じゃあお前は、その別れてない彼女がまだいるのに関わらず、彼氏持ちの女の子にそういうことをするクズ男って訳だ｣
長身の男に図星を付かれ、ひかるくんはぶちんと切れたようだった。
私の体から離れて、その男に近づく。
｢てめぇ、何がしたいんだ？いきなり現れて｣
｢おーおー、口が悪い。クソガキが俺に指図すんじゃねえよ｣
マスクをしていても、私は、その目を見て、
だれか、もう分かっていた。
｢ちなみにちゅーするまえからした後まで動画撮った後に、写真も撮ったからな｣
ずい、とひかるくんより背が高いのを利用して、見下ろす彼は、怖かった。
｢人の彼女に手を出してんじゃねーよ｣
｢………ハッ、彼氏様ってわけか｣
ひかるくんはなんとか普通を装っているが、声が震えている。
さっきの私と、立場が逆転していた。
｢お前自分の立場わかってない？
……今度近づいたらどうなるかわかってるよな？｣
｢……ちっ、あーあー。いい女だったのに。めんどくせえのがついてんじゃん｣
ひかるくんはいつもの優しい雰囲気が一変、柄の悪い様子に切り替わっている。
そして、長身の男を睨み付けながら、走って去っていった。
取り残された私は、恐る恐る、マスクを外した彼を見た。
｢………きよ、さん｣
マスクの裏には、いつもの彼がいた。
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りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます！ (2020年3月6日 13時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです！キヨのこともっと好きになれました！ これからも頑張ってください！！ (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして！いつも拝見させていただいています！たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます！ (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです！年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年12月10日 14時
