【実.況.者】君と見る世界【ky】

25話 ページ26

｢あー……気持ちよかった｣


｢……デリカシーも何も無いですね｣


事を終えて、私はキヨさんにまた抱っこされてシャワーを2人で済ませた。
腕枕してくれるキヨさんに甘えて、そっと頭を乗せる。


｢……なに、そういう話、したかったの？｣


｢………キヨさんのばか｣


残念ながら彼のように私はストレートに言えるほど強い訳では無い。
彼に背を向けた。キヨさんはふは、と笑って、私のことを抱きしめてきた。


｢ごめんって｣


｢別に、怒ってないですよ｣


恥ずかしくて顔は見られないけど。
後ろを向いたまま、放置してたスマホを開いた。


｢わ、フォロワーさんがすごいことになってる｣


｢……おー、｣


キヨさんも覗いてきたので、向きを変えて見せる。
5万人近くの人が、私のアカウントをフォローしていた。

たくさんリプも頂いている。

｢……あ、レトルトさん達が引用してくれてる｣


｢あいつらお前にやけに優しいよなぁ｣


キヨさん程じゃないと思いますけど、と言う言葉を呑み込んで、彼らの引用先を見に行った。


レトルト『トレンドに上がってると思ったらおんぷちゃんだったー！マジでピアノには泣かされてるのでこれから楽しみ』

牛沢『この間2人実況しようと誘われたら断られました』

ガッチマン『この間見守ってたおんぷちゃんがアカウント作ったようです。この前の動画はうちの家族にも人気で、みんなで見てます』

｢ガッチマンさんの家族……！？恥ずかしい……｣


｢小学生の娘がいるんじゃなかったっけ、ガッチさん｣

キヨさんの口から告げられた事実に、思わず顔を覆いそうになる。小学生に、見られたのか。


｢あ、フジさんヒラさんこーすけさんも呟いてくれてる｣


｢……あいつらもAによく酒で絡むよなぁ。｣

お酒飲まなくても絡んでくるのは誰ですか、と言ってしまいそうになるのを、また抑える。


フジ『おんぷちゃん、今度最俺でもコラボしてくれそう。ていうかしてもらいます。生でプレイを見たい』

ヒラ『最近仲良くなったおんぷちゃんがアカウント作ってた。最近は俺含め最俺の動画も見てくれてるらしくて、少し恥ずかしいよね』

こーすけ『ピアノ演奏がすごすぎるおんぷちゃん！フォローしてあげてね！今度実況撮りたいな。マリオの動画見てない人は見てあげてー』


彼らの引用にいいねして、ついでにフォローも返した。

欠伸が出てきて、スマホを置いてキヨさんに体を預けた。

｢……寝るか｣


｢はい、おやすみなさい｣

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