24話 ※ ページ25
｢は、ぁ……｣
キヨさんの手は、する、と私のお腹から腰に向けて動いた。
熱くて、びくびくと体が震える。
声を出さないように口元を抑えておくのが精一杯である。
｢こえ、出せよ｣
首を横に振って抵抗した。
もう慣れていい回数をしているはずなのだが、全く慣れない。
｢いやです｣
彼が毎回声を出すように言ってくるが、もちろんそれに肯定的に返すわけが無いのだ。
キヨさんはも、もちろんその返答に満足するわけないのであるが。悲しいことに。
｢この前は素直だったのにな｣
彼の言ってるこの間っていうのは、多分、私が不安になって別れると言ったあの日のことだろう。
私はあの日のことを思い出して、顔が赤くなった。近くにあった枕を引き寄せて、顔に押し付ける。
｢はは、照れてんのお前｣
｢………それ以上言ったらやめますよ｣
｢……それはこまる。寸止めは、俺死ぬわ｣
キヨさんは着ていたスウェットを乱暴に脱いだ。そして、私の枕を簡単に取り上げて、両腕をシーツに縫い付ける。
上半身の、程よくついている筋肉が見えて、心臓に悪い。
｢目、逸らすなよ｣
｢や、だって……｣
そこで、ある場所を一点見て、この間の、行為がフラッシュバックした。
あの日、彼は私を自分の太腿に乗せてきて、私と対面するような体勢にして、目の前で切なげに息を漏らしていたのだ。
私は、怖くなって、しがみつこうとしたけど。いつもと違う不安定な姿勢にどうしたらいいかわからなかった。
そして、彼は優しいとは言えない動きで私を攻めてきた。
その時に、思わず、噛んでしまったのだ。
｢肩、治ってないんですか……｣
｢ああ、これ？｣
顔を押し付けようとした、彼の肩を。
その時は流石に痛そうにしていて、私は我に返ったのだが。
その後何故か、激しくなってしまい、記憶が朧気だ。
｢はい。赤くなってる｣
かなり強く噛んでしまったため、内出血のようなものが起こっていると思う。
血はでてないけど、見た目は痛そうだ。
｢もう痛くないし、大丈夫｣
キヨさんは片手で自分の肩の傷をそっと撫でる。その顔が、酷く愛おしそうで、私は胸の奥がぎゅう、と締め付けられた。
｢それに、お前だからなのか｣
キヨさんは、私の手を自分の胸に当てた。
私は、その鼓動の速さに、びっくりして、手を離そうとしたけど、彼の手によって阻止される。
そのまま、低い声でゆっくり言われた。
｢すっげえ、興奮したんだよね｣
｢……ばか｣
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りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます！ (2020年3月6日 13時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです！キヨのこともっと好きになれました！ これからも頑張ってください！！ (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして！いつも拝見させていただいています！たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます！ (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです！年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年12月10日 14時
