17話 ページ18
｢ねえ、A！！｣
家を出たら、えみちゃんと御影くんに待ち伏せされていた。
今は朝。私はこれから学校に行くつもりだった、の、だが。
がしり、と腕を掴まれて、気がつくと喫茶店に連れていかれていた。
個室に案内してもらい、何が何だかわからないまま座った瞬間、えみちゃんはスマホを見せる。
｢これ、あんたでしょ｣
｢…………えみちゃんすごい｣
そこには、急上昇1位を取っている私とキヨさんの動画が再生されていた。
✱
｢は？！キヨと知り合い！？｣
｢えみうるせえ｣
｢うるさいじゃない！Aどういうこと？キヨになんか弱み握られた？｣
動揺して声が裏返っているえみちゃんと、それを止められない彼氏の御影くんを見て苦笑いした。
しかし、私のことを心配して、キヨさんのことを悪く言うえみちゃんに安心してしまった。
キヨさんのファンであったはずなのに、私のことを疑わないえみちゃんは本当に友達でよかったと思う。
御影くんと言えば、諦めてその動画を見ているが、口元が震えているところから笑ってるんだろう。
｢あのね、｣
そんな通常運転の2人には話せるだろう、と私は今まであったことを話し始めた。
✱
｢なぁるほど。ほーー｣
｢とりあえず、あの夜1人で帰したこいつボコってもいいんだぞ？｣
あの飲み会の夜のことから、今の付き合うところまで話すと、えみちゃんはにやにやし始めていた。御影くんはジュースを飲んだあとに、隣にいるえみちゃんを指さして言った。
えみちゃんはそこで頭を机にくっつける。
｢や、そうなんだよ。やっぱりタクシーで帰せばよかったよね！ほんっとに怪我とかなくてよかった！！ごめん！！｣
｢い、いや。キヨさんに助けてもらったし、そんなに気にしてないよ。むしろあの飲み会の後始末みたいなの頼んじゃってごめんね｣
｢……Aが優しいよぉ。ゆうくん｣
｢急に名前呼びやめろ。えみ｣
突っ伏したままのえみちゃん頭を撫でる御影君は、名前を呼ばれて少し嬉しそうだ。
｢ふふ、仲良いよね2人とも｣
｢いや、それを言うのはこっちのセリフだから｣
えみちゃんはすぐに復活して、スマホをもう一度再生する。
そこには、ゲラゲラ笑うキヨさんと私の声。
｢こんなイチャイチャ見せられて私はキャパオーバーです。付き合ってるって丸分かりだから｣
｢俺もそれは思うな｣
｢……やっぱバレます？｣
2人は同時に頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「nmmn」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます！ (2020年3月6日 13時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです！キヨのこともっと好きになれました！ これからも頑張ってください！！ (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして！いつも拝見させていただいています！たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます！ (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです！年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんご | 作成日時：2019年12月10日 14時
