10話 ※ ページ11
あれからキヨさんは4人で実況を取り始め、私は課題に専念したり、また掃除をしたり、適当な時間を過ごしていた。
ケラケラと笑い声が聞こえるのですごく気になってしまったが、そこで登場したら炎上になりかねない。
ファンはきっと不自然なカットにすら敏感な反応をしてしまうのだ。
｢はあ、｣
こうやって、お泊まりでキヨさんの家に来ている時に思ってしまう。
『……お試しじゃねえからな』
告白された日に家の前で、名残惜しく抱きしめられた時に、改めて言われた言葉。
私は彼がここまで人気がある人と知らずに会ったのもあり、基本的に彼のことを有名人とは思っていない。
ただ、動画を見て、お付き合いをし始めて、こういう仕事で活躍している彼を見ると思うのだ。
お試しじゃないとはいえどうして私と、と。
ネガティブなのは分かっていても、1度燻った思いというのはなかなか離れていかない。
もし、動画のネタとかだったらどうしよう。
あの月に照らされた彼の顔が赤かったけど、その不安は拭えない。
｢別れるって言われたら、どうしよう｣
｢は？｣
｢え、｣
私は寝室のベッドで寝転んでいたのだが、ぼそりと思わず吐いた弱音はキヨさんに拾われていた。
｢なあ、今の何｣
｢えっ、｣
｢別れるって言われたらって、何｣
ぞわりと背筋が凍る。
キヨさんの顔は、見るからに怒っていた。
｢え、と｣
｢……言って｣
ベッドに近づいて、私の隣にやってきた。
するり、ともう慣れた手つきで私の腰に手を回して、顎を持ち上げた。
｢なあ、言えよ｣
その顔は怒っていると同時に、悲しんでもいるようだった。
耐えられなくなって、思わずぽろりと口から言葉が零れた。
｢キヨさんが、別れるって言ったらどうしようって、不安になって｣
｢………は？｣
｢ごめんな、さい｣
涙も出てくると、その涙をキヨさんはべろりと舐めてきた。
｢ん、｣
｢ばーか｣
キヨさんはそのまま、腰に回した手を少し下にずらした。ワンピースのように着ている彼のスウェットは、いとも簡単に太ももへの接触を許した。
するり、と撫でる手つきが、性急だった。
｢あ、｣
｢お前今日も泊まれるって言ってたよな｣
そのまま、下着まで手が届きそうなところでキヨさんの大きな手が止まった。軽く太ももを引っかかれて、変な声が出る。
｢散々やってるけど、まだ俺の気持ちが伝わってねえんだな｣
｢き、よさ、｣
｢寝かせねえから覚悟しろよ｣
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りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます！ (2020年3月6日 13時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです！キヨのこともっと好きになれました！ これからも頑張ってください！！ (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして！いつも拝見させていただいています！たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます！ (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです！年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年12月10日 14時
