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44話 ページ44

お腹もいっぱいになってきて、話も盛り上がってきた。


「Aちゃんさ、キヨのことどう思ってるの?」


牛沢さんが赤い顔で聞いてきた。これはかなり酔ってるなぁと苦笑した。

牛沢さんの隣にいるレトルトさんも同じく顔が赤かった。しかしその目はキラキラと輝いている。

「え、どう思ってる、とは」


「ちょっとうっしーとレトさん、酔いすぎ」


助け舟を出してくれたのは、キヨさんである。
隣にいたキヨさんは、レトルトさんの近くにあったお酒……カシオレだろうか、を取り上げた。そしてキヨさんが飲む。
うげ、と嫌な顔をしている。

「レトさんこの度数でこんなに酔っ払ってるの?」


「うるさいよキヨくん。で、Aちゃん、どうなの?俺たちキヨくんからAちゃんとの出会いは聞いたんだけどさぁ」


「はい」


それはキヨさんから聞いているので別段驚くことない。
レトルトさんは「キヨくん返して、」と言ってキヨさんがほとんど飲んだカシオレを、飲みきった。


「俺達からするとね、キヨくんがAちゃんみたいなかわいい女の子を助けたこと、信じられないんだよね」


「は、ぁ」


「あのねAちゃん。キヨって陰キャ中の陰キャなんだよ。普通に他人に話しかけるならまだできても、助けて、連絡交換して、ご飯まで行くなんてありえねえんだよ」


牛沢さんもビールが半分くらい入ってるグラスを持ちながら、私の方を見て真剣に言った。
2人の勢いに押され気味である。


しかし、どんな人……どんな人、かぁ。


本人が隣にいるので少々恥ずかしいが、2人のキヨさんの印象が私のものとかけ離れているので、これは言う必要がありそうな気がした。


「あのですね、キヨさんは私の命の恩人なんですよ」


「ちょっと、A」

「キヨくんうるさい、だまって」

「おいキヨうるせえぞ」


久々に名前を呼ばれて胸がときめいたが、私の口は止まらない。お酒が少し入ってるからだろうか。
そしてキヨさんを止める牛沢さんとレトルトが早すぎる。


「まだ少ししか会ってないし、キヨさんのことはみなさんより知らないんですけど」

「キヨさんはいい人だと思ってます。髪色よりテンションが低いのも、動画見てたらなんとなくわかりますし」


あんなに動画でテンション高くやってて、現実でもテンションが高かったら逆に気持ち悪い。

それに、テンションが低くても色々、マイペースに話してる時が、落ち着くのである。


「お前、それ以上話すな」

「え?」

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作品ジャンル:恋愛
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時

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