42話 ページ42
「それじゃ、乾杯するかぁ」
私とキヨさんのドリンクが届くと、黒縁メガネの低い声の人が半分くらいビールが入ってるグラスを持った。
私も頼んだファジーネーブルのグラスを手に持った。
「かんぱーい!」
「「「「かんぱーーーい」」」」
グラスをくっつけて、その後に飲む。
私も1口飲んで、そしてそういえば何も飲んでいないことに気づく。
「おお、いい飲みっぷりだねぇ」
「……喉乾いてたもので」
「いいよいいよ。じゃあ自己紹介しよっか」
茶髪の男性が優しい眼差しでそう提案した。
「あ、まってください」
しかし、私は止めた。
「あの、私、3人の名前、わかるかもしれませんので、当ててみていいですか?」
彼らの実況でやっていたゲームをメドレーにする、所謂とっておき、をやるために、たくさん動画を見ていたため、声と名前が一致していた。
せっかくだし、そういう感じで入った方が緩くいけるのではないか、と提案してみる。
すると、
「お、まじで?じゃあ当ててみてよ」
と黒縁メガネの男性が興味深そうにこちらを見てきた。
私は彼の方を見て、
「牛沢さん、ですよね?」
と聞いてみる。
彼はお、と反応した。
「あたりぃ。じゃあこの茶髪は?」
「レトルトさんですか?」
「お、あたってる。じゃあ最後の一人は?」
と、優しげな笑みを浮かべている人を指さした茶髪の人……レトルトさん。
「ガッチマンさんです!」
自信を持ってそう言うと、全員から拍手された。
「すげぇ、なんでわかんの」
キヨさんが聞いてきたので、教えた。
「とっておきメドレー作るために、3人の代表作を見て、耳に残りそうな曲を書き起こしたんですよ」
「なるほどねぇ」
ガッチマンさんが納得したように頷くと、彼の方を見て苦笑してしまった。
「ただガッチマンさんの動画だけ、曲がありそうなゲーム探すのめちゃくちゃ大変で」
「いやそうだよね〜!俺ホラゲーばっかり実況してるから」
本当に、ガッチマンさんのチャンネルに飛んだ時が1番困ったのだ。
この人……ストーリー重視の物語が少ないし、メインテーマなるものを持っているゲームがない。
しかし、そこで諦められるほど私は弱くなかったのである。
「それであの狩りゲーの曲も入れてたんだ」
「あ、気づきました?」
すると、レトルトさんが興奮気味に話し出した。
「気づかんわけないでしょ〜!ポケモン流れてきた時俺泣きそうになったもん」
「俺もゼルダとドラクエでうるっと来ちゃった」
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時