38話 ページ38
｢さあて、キヨの彼女候補を見に行きますかぁ｣
｢いやぁおじさんテンション上がっちゃうねえ！｣
｢うっしーとガッチさんテンションたっか……｣
｢そりゃそうでしょ｣
駅にて4人で待ち合わせをして、タクシーに乗り込む。歩いていく予定だったが、下手に街中を歩いて見つかるのも嫌だったからタクシーに変えた。
げっそりしたキヨは助手席に、レトルトとガッチマンと牛沢は後部座席に3人乗った。
｢てかキヨくん。ほんとに大丈夫？｣
｢あいつがいいって言ってんだから大丈夫だろ｣
レトルトの心配してる声にキヨはあっさりと返した。
｢ただ焼肉に関してはあいつのドタキャンあっても許せよ｣
キヨがそう言うと、牛沢が当たり前だろと言う。
｢そりゃそうだ、こんなおっさんがいっぱい居たら普通遠慮するわ｣
｢それなのにそれもおっけーしたAちゃん、結構面白いよね。いやぁ楽しみだ！｣
ガッチマンはずっとにやにやしながら話している。レトルトはその顔を見て少し引いていた。
｢ガッチさんほんとにその辺の親戚のおじさんなんやけど｣
3人が自由に話している間、キヨは通知が来たことに気づいた。
開くと、Aからである。
『子供の部が終わってあと10分くらいで大人の部始まります』
『今日寒いので気をつけてきてくださいね』
『おー今タクシーで向かってる』
『大いに緊張してろよ』
と心配してきたAを茶化すように返信すると、すぐに既読がついた。
『実はとっておきも披露するので楽しみすぎて緊張全くしてません。残念でしたーー』
『ラスト20分にそのとっておきするので、できれば最後までいてくださいね』
｢……生意気｣
3人に聞こえないように、キヨはそう言ってマスク越しで小さく笑った。
✱
開演5分前くらいについた一同は、早足で会場に入っていった。
中に入ると、ホールは立ち見もできるし、いくつか席も残っていた。演奏者がよく見えるようにか、客席側は暗くなっていた。
キヨたちは適当に椅子に座る。
そこで、アナウンスが入る。
『こんばんは。毎年恒例のコンサートにお越しくださり、誠にありがとうございます。生演奏なので、よければ携帯電話をお切りください。また、静かに聞いていただけると幸いです。あと数分で始まりますので、もうしばしお待ちください』
Aの声だった。
携帯を切る人が落ち着いた瞬間、開始のブザーがすぐになった。
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです！ (2019年11月21日 18時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました！キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね！ (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年11月10日 20時
