31話 ページ31
次の日、事件が起こった。
「…………え、」
朝起きてから、視界が変わっていた。
おかしい。
なんだ、これは。
「………なんだ、ろ。視界が、へん」
一気に視界に入り込む情報量が多くなった。
白黒以外になにか違う色、でいいのだろうか、何かうつってる。
「………おかーーーーーさーーーー!!!!!ん!!!おとーーー!さーーーーん!!!」
怖くて、部屋のベッドで叫んだ。
ずっと見続けると、ぐわんぐわんと頭が揺れてきて目を閉じる。
「な、なに!?A!!どうしたの?」
「!?!?なんだ!?!!」
一瞬で部屋に入ってきてくれた2人。
私は2人の顔を見て、心臓が止まるくらいびっくりした。
「……2人の顔、が、白黒以外に、なってる」
「え?」
「……病院行くぞ」
お母さんはびっくりしていたけど、さすが一家の大黒柱である。
パジャマ姿だったけど、冷静にそう言ってくれた。
✱
「色覚の検査しますね〜」
家族みんな焦った状態でかかりつけ医に駆け込んだ。かかりつけ医もビックリしていたが、すぐに案内してくれて検査の準備をしてくれた。
ここの先生は、私が見えない原因に真正面から向き合ってくれて、何度か通院して検査を受けていた。今まで諦めの表情でわからないと言ってきた先生よりも、100倍いい。
そして、色覚の検査を進めていく。
すると、
「……この辺の色だけ、よく見えてます」
私が今まで見えなかったところが、別の色に染まっていた。指さした色は、赤色、橙色、桃色の、いわゆる暖色と言われるところらしい。
「こんなこともあるんですねぇ」
実に興味深い、なんて眼鏡をあげながらいう先生は少し怖かった。
その後も、色覚検査は続いた。
✱
「結論から言わせていただきますと、Aさんの状況が、驚くくらいよくなっているんですよ」
「ほ、本当ですか?!」
「……詳しく教えて頂けますか?」
両親揃ってびっくりして、食い気味である。
私はと言うと、色が一気に入ってきたせいで、頭が痛いのでアイマスクをしていた。
簡単に言えば、私の眼鏡急に赤系の色が全て見えるようになっているとのこと。
また、情報過多で頭が痛くなったりすると思うので、白黒に見えるような眼鏡をこちらでオーダーメイドで用意してくれるらしい。
そして、これから世界が変わって見えるだろう。
最後に先生は笑いながら、そう言った。
「よかったですね。Aさん」
「ありがとう、ございます」
不思議な感覚だった。
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時