17話 ページ17
キヨさんとご飯を食べに行った後、いつも通りの1週間が始まった。
講義を受けて、バイトもいれて。
「A!合唱練習行こー!」
「うん、ちょっとまって〜」
ゼミ室でご飯を食べて、キヨさんの動画を少し見ていると、練習10分前。
「あ、それキヨの動画!」
「知ってるの?」
スマホを覗き込んだ友達はキヨさんの名前を出した。
彼女はうん、と嬉しそうに答えた。
「めっちゃ面白いよねー!これ昨日投稿されたシリーズだよね?」
「うん、つい昨日見始めたんだけど」
「えー!Aこういうの興味無いと思ってたからびっくり!」
友達はその後キヨさんのおすすめ動画を自分のスマホを取り出して教えてくれる。
私は動画アプリを消して、友達の話に耳を傾けながら荷物を軽くまとめた。
「あ、このシリーズもめちゃくちゃ笑った!ポンコツしてんの!」
URL送るね、と言うその顔は笑顔で満ちていた。
キヨさん、あなたの動画でめちゃくちゃ笑ってる人いるよ。
と、後で教えてあげようと思いながら、ゼミ室を後にする。
ここは私の学科のある音楽棟なので、合唱練習の部屋までさほど距離はない。
「昨日から見始めたって言ってたけど、何でキヨのこと知ったの?人気はあるけど、Aの好きなジャンルじゃないじゃん。ゲーム実況って」
ぎくり、と固まる。
まさか、本人と知り合いなんて言えるわけがない。
「えー、とね」
動揺を隠して、言い訳を考える。
と、昨日確認した、ちょっと前に上がっていた実写動画を思い出す。
コメント欄を確認したら、全体の急上昇で1位を取ったと、書いてあったような。
「最近の実写の動画だっけ。たまたま動画サイトのランキング見てたら、1位にあって、気になってみちゃったんだよね。後で見る押してたのに、昨日まで見る時間なくて、昨日見たら面白かったの」
「なるほど!Aそれはまじでセンスいい」
「そっかぁ。えみちゃんも知ってるのうれしいなぁ」
ちなみに話してる友達の名前はえみと言う。同じゼミで活動してる、所謂オタクらしい。
前にオタクがどういうものかわからない、と前に純粋に聞いてみたら「あんたもオタクだよ……音楽のね」と呆れ顔で返された記憶がある。
ちなみに、金曜日の飲み会で迎えに来てくれたのも、酔っ払った子を介抱してたのも彼女だ。
「くっそー!A可愛いな!」
腕を掴まれた。そのまま二の腕を触り始める。
唯一の欠点は、スキンシップが多いことくらいである。
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時