2話 ページ2
気持ち悪くなってた友達を介抱する友達に、遅くなる前に帰って!迷ったら連絡してね!と送り出され、慣れた道を1人で歩く。
スマホのライトを足元に当て、少しゆっくりと。
10時を過ぎ真っ暗になった近所の道は、数メートル先に電灯があるだけで、あとは何も無かった。
ちょっと、怖いけど。
いつも歩いてるから大丈夫だよね。
なんて思って、さっさと帰ってしまおうと角を曲がる。
すると、ドンッとぶつかられる音。
「えっ、」
転び、スマホを落としてしまう。ライトのあるところが下になったのか、光が消えてしまう。
さらに、最悪なことに、バッグが腕から抜けてしまう。
「……チッ、大したもの入ってねえな、ほらよ」
男の声と、私のバッグを漁るようなガサゴソとした音。
そして、私のバッグを床にたたきつけた音。
そのまま男は、私のバッグの中身から特に何も奪わなっただろう、そのまま自転車に乗ってどこかに行ってしまう。
「いった………」
自転車にぶつけられたのか、全身が痛かった。
それでも、私は携帯がなくては何も出来ないので、手探りで探す。
それでも、見つからない。
「……どうしよ、」
思わず弱々しい声が出てしまった。色の識別が出来ないから、こういう暗闇に1人残されると、何も出来なくなる。
どうにかスマホのライトが漏れているか目を凝らしたが、何も見えない。
心臓が嫌な音を立てた。
私、このまま、ここで野宿……?
「あの、」
すると、上から声が降ってきた。
びくり、と思わず肩が揺れてしまう。
「探してるスマホって、これっすか」
男の人の、低い声だった。
話し掛けるか迷っていたのか、その声は戸惑っている。
そして、いきなり光がそこに差し込んだ。
話しかけてきてくれた男の人の、スマホのライトだろうか。
その光に導かれるように顔を上げると、私のスマホを持っているだろう、高身長の男性が立っていた。
「は、い」
と、私が返事をしたと同時に、バキッと何かを踏んだ音。
「……すんません。なんか踏んだ」
高身長の彼は、私にスマホを手渡して、足元を照らす。私も自分の周りを照らした。
すると、私の使っていた鏡が、彼の靴の下に挟まっていた。
「………あの、これ、もしかして」
「……わたしの、鏡です」
「……あーーー……………」
彼が足をあげると、案の定と言うか、鏡は粉々に砕け散っていた。
「………あの、大丈夫ですよ、そのくらい」
「い、いやいや。駄目です。俺、弁償します」
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時