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21話 ページ21

さすがに練習しなきゃまずいと思ったので、コンサートの件を言ってから、携帯の電源を切った。

「……よし!」

ガタンと蓋を開けて、鍵盤を眺める。
一般的にこの鍵盤の色は、私が感じている色と同じらしい。つまり、白と黒。

そういえば、明るさだけで判断していたが、キヨさんの髪の毛は少し染まっていたような。


「……ダメダメ!もう!集中するの!」


直ぐに彼のことを考えてしまう頭を振って、外に追いやった。
そして、楽譜を手に取る。

楽譜の色も白黒が一般らしい。

色を知らない私が、のめり込んでしまうのも仕方ない。
音楽には、色がなくても表現できるからだ。


「遅くなっちゃった」

気がついたらかなりの時間弾いていた。
ここまで暗いと、迎えに来てもらったり、タクシーを呼ばなければ帰るのが怖いなぁと外を眺めた。
楽譜を鞄にしまい、練習室を出る。まだ練習している学生はそこそこいるのか、廊下の電気等はついていた。
以前ここで時間を忘れて練習していた時に、真っ暗になった音楽棟で一夜を明かしそうになったことを思い出した。

あれは警備員さんが来なかったらやばかったなぁ。

携帯の電源を入れて、まずはお母さんに頼んでみる。

『ごめんなさい。また練習遅くまでやっちゃった。今日はお迎え大丈夫ですか?』

既読は数分後についた。

『ごめんなさい!こっちも今発表会のシーズンでレッスンがびっしりで、これからあと2人レッスン入っててお迎え行けない(>_<)』

ちなみにお母さんは、ピアノの先生をしている。自宅の隣に一件家を建て、個人でやっているのだが、評判はかなりいいらしく、生徒数はかなりいる。
私も、最初にピアノを教わったのはお母さんである。

『お父さん、今日お迎え来て貰えますか』

今度はお父さんに連絡する。
ちなみに彼は音大の教授をしたり、楽団の指揮者をしたり、色々活動している。

『すまん。今日は卒論関係で日付変わる頃に帰る予定だった』

「……あらら、2人ともダメなんて珍しいなぁ」

にしても、返事が早すぎる。
そして、3人の家族グループに、ほぼ同時に2人からメッセージが入った。

『タクシーで帰って!!絶対歩かないでね!』

『家に着いたら必ず連絡するように』

『あ、ご飯作るなら自分の分だけにしてねA。私はいらないから』

『俺も要らない。なんなら外で食べてきてもいいぞ』


……過保護か。

と心の中でツッコミを入れて、スタンプを押した。

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作品ジャンル:恋愛
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時

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